
NHKと民放は公選法に基づき、参院選では各候補者につき5分30秒で自らの主張を伝える政見放送を行っている。全国の選挙区のうち、9人が立候補している京都(定員2人)に注目し、各候補者の主張のポイントをまとめた。京都選挙区は3人ずつ3回にわたって記事化する。政見の中で、根拠を明確にする必要があるとInFact 編集部が判断した部分は、黄色のハイライトを付けた。この部分が誤りである可能性が有るということではない。InFact編集部がファクトチェックをした場合は、結論が出た段階で記事にする。候補者は放送順。3回目の3人は以下の候補者。
西田昌司(自由民主党)

経歴
京都府選挙区、自由民主党、西田昌司、66歳。滋賀大学卒。税理士、区議会議員を経て、参議院議員、党財政改革検討本部長代理、党税調幹事、参議院財政金融委員会理事。
政党の主張の部分
GDP1000兆円を実現。国民の所得を5割増しに、強力な物価対策と持続的な賃上げを実現。世界の中心で輝く国に。
今のために。将来のために。日本を動かす。暮らしを豊かに。「リターン トゥ ジャパン」
候補者・西田昌司の主張の部分
今こそ日本を取り戻さなければならない。「リターン トゥ ジャパン」。
財政再建をまず一番にやらなきゃならないという財務省の論法に全く賛成している方がもし総理大臣だとやってしまうと、これは増税と緊縮とセットで行われることになる。そうなると日本が経済の回復基調になったのが、このどん底に落ちてしまう。
私は、2007年、平成19年に初めて参議院議員に当選させていただき、以来3期18年が経った。安倍政権の時に私は当選をし、そしてその後、自民党が下野をし、下野の時代に民主党政権の様々な問題点を追及をし、そして再び安倍政権に戻りまして、この安倍政権をしっかり自民党の中で支えてきた。残念ながら、安倍総理が3年前の参議院選挙の最中に凶弾に倒れられ、大変混乱した政治が今なお続いている。混乱した政治をしっかりともう一度正常な形に戻していく。
日本の財政はギリシャよりよろしくないとの発言が波紋を呼んでいる。本当に日本はギリシャよりよろしくないと思われているのか。「IMFのデータに基づけば、G7のうち、債務残高対GDP比の直近の実績値が、コロナ禍前の2019年の水準に戻っている国はございません。」(財務省)
つまり、日本だけが、G7の中でですね、戻ってるっていうこと。ところが、それを認めたくないから、IMFのこの数値で、それをわざわざ自分たち日本の国が悪く見えるように債務残高を計算する。こういう間違った論法を財務省は常に言ってる。
これから30年以内、いわゆる南海トラフ巨大地震が起こることが予測されている。。破壊的な災害から守っていく。
しっかりこの新幹線も含め、大きなこの国家的事業、国土軸をしっかり伸ばしていく。しっかりしたインフラ整備をしていくことは当然必要。東京一極集中を止めて、それぞれの地域で暮らすことができる仕組みを作るためにも、この地域に対する投資、それを国が責任を持って財源を組み立てていくということが絶対的に必要なことだ。
コロナから立ち上がって、経済は着実に再生の方向にある。国民の所得が上がる、給料が上がって、そして消費が増えて、投資が進んで、もう1度この経済成長することによって、未来に希望が持てる。そして新しい生命が生まれる。そういう環境を作っていく。
山本わかこ(立憲民主党)

経歴
57歳。左京区出身。衆議院議員1期。洛北高校、同志社大卒。京都信用金庫勤務、福本哲郎参議院議員秘書17年。葵祭第38代斎王代。
候補者・山本わかこの主張
家計が第一。物価が高い、米もガソリンも高い。今の政治では、わたくしたちの生活は絶対に良くならない。1日も早く食料品の消費税を0%に。所得が少ない方には減税するだけでなく、現金給付の仕組みを早急に整え、物価高からあなたを守り抜く。これが立憲民主党の公約だ。
選択的夫婦別姓の実現、女性が活躍しやすい社会を作ること。それが日本経済の発展につながる。同時に、社会の多様性を重んじ、差別のない自由で温かい国を作りたい。
米の価格問題をはじめ、わたしたちが長年求めてきた農家の所得を保障する直接支払制度を早期に整備し、農業者の収入を安定させる。
オーバーツーリズム、人口流出、地価の高騰、新名神高速道路の早期供用開始、書道や茶道など伝統文化や地域の産業振興にも全力を尽くす。
私は京都市左京区に生まれ育ちました。中学、高校も京都で過ごし、同志社大学文学部を卒業。地元の京都信用金庫に就職した。その後、28歳で国会議員秘書へ。そして2017年、全国の多くの仲間とともにまっとうな政治を訴え、衆議院選挙で初当選。その後は京都北部の選挙区で挑戦した。地盤も組織もゼロからのスタート。
酒井つねお(国民民主党)

経歴
京都府選挙区、国民民主党、酒井つねお、63歳。同志社大学卒業。昭和59年京都府警に採用。警部で平成21年退職。平成23年から京都府議会議員を4期務める。
政党の主張(玉木雄一郎代表)
給料が上がる経済へ。四半世紀以上にわたって賃金が下がり続ける。国のふところを豊かにすることではなくて、国民の皆さんのふところを豊かにすること。
私たちは結党以来、一貫して真面目に働く人の手取りを増やす政策を訴えてきた。30年間動かなかった103万円の壁を動かすことができたのは、私たちに思いを託してくれた皆さんのおかげだ。178万円までの引き上げは道半ばだが、私たちは諦めない。
30年動かなかった103万円の壁が動いたんです。取って配る立場の政治ではなくて、その税金を払ってる側の立場に立った政治に変えていきたい。
国民民主党は、減税、社会保険料の軽減、ガソリン代や電気代などエネルギーコストの引き下げで手取りが増えたと実感の持てる経済を作る。自分の国は自分で守る。食料、土地、海、情報、そして日本人を守り抜く。
候補者・酒井つねおの主張
手取りを増やす夏をスローガンに全力で訴えていく。私は同志社大学を卒業し、京都府警に採用。京都府警では機動隊に所属していた。1995年の阪神淡路大震災の時には、救命救助部隊、今でいう「レスキュー隊」として派遣され、被災直後から救助活動に携わった。
その後、京都府議会議員として4期14年、京都府の発展のために働いてきた。しかし、地方の課題を国に届けたいとの思い、政治に緊張感が不足しているとの思いなどから、参議院選挙への挑戦を決意した。
京都府は南北に長く、各エリアで課題は変わる。しっかりと各地域にあった解決策を国に訴えていく。オーバーツーリズムで皆さんの暮らしにも影響が出ている。住んでいる人がいい町だと思えない観光政策は失敗だ。そのためにも、現在1人1000円を徴収している出国税の引き上げと、この税収を各地で問題となっているオーバーツーリズム対策などに充てられる仕組みを作らなければならない。
農業、林業、漁業の一次産業を生業とする方が多くいる。一次産業は私たちの生活に欠かせない基盤であり、これらを進行することが深刻な人口減少問題への打開策の1つになる。そのためには、国や地方自治体による支援策が重要。私は、これらにしっかりと取り組み、一次産業の未来を切り開いていく。
京都南部は、約800年の歴史を持つお茶どころであり、「けいはんな学研都市」がある先端地域。世界トップクラスやオンリーワン技術を持つ研究者や企業を育てるとともに、ここを拠点に科学と文化が融合した夢ある暮らしの実現を目指す。
一方、新名神高速道路の工事が遅れている。全線開通すれば、災害時の代替路としての役割を担うだろう京都府だけでなく、日本の未来に大きく影響するインフラ整備。安全優先の中で、未開通区間の早期開通を求めていく。