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【参院選25FactCheck】自民・公約「2万円給付金」はマイナンバーと銀行口座の紐付けをしないともらえない?

【参院選25FactCheck】自民・公約「2万円給付金」はマイナンバーと銀行口座の紐付けをしないともらえない?

自民党が参院選で公約にしている1人2万円の一律給付について、「マイナンバーカードと銀行口座の紐付けをしないともらえないと」との投稿がXで拡散した。実際はどうなのかファクトチェックした。

対象言説

「しかもマイナンバーカードと銀行口座の紐付けをしないともらえないという汚さ。作ってない人は支給されないという不平等さ。普通に銀行口座に振り込めばすむ事なのに。マイナ保険証もそうだけど国民の口座を把握して何かあったら凍結出来るようにしたいと企んでいる悪どさ。」Xの投稿(6月15日)

このうち、「マイナンバーカードと銀行口座の紐づけをしないと(給付金を)もらえない」を対象言説とした。

結論

給付金は申請書があればマイナンバーカードがなくても銀行窓口などで受け取りができるとデジタル庁は説明しており、自治体で実際の手続きを確認したところ、デジタル庁の説明通りだった。このため、この投稿の内容は事実ではない。

ファクトチェックの詳細

デジタル庁HP「公金受取口座登録制度」で給付金受け取りの手続きを確認した。

「マイナンバーカードと銀行口座の紐付けをしないともらえない」という点について、マイナンバーと銀行口座を事前登録することで給付の迅速化が図られるが、登録は義務ではないことが同HPで明確にされている。「作ってない人は支給されないという不平等」という発信についても、登録なしでも、給付金申請書に銀行口座情報を記載し、必要書類(口座情報)を提出すれば、これまでと同じように受給できるとされている。

実際に、東京都板橋区役所生活支援課臨時給付金係に確認したところ、デジタル庁のHPの通りの運用が行われているとの回答が得られた。

(穴田智花,樋口章吾,柴田和樹/大東文化大学社会学部・野嶋ゼミファクトチェックチーム)

編集長追記

InFactのファクトチェックは対象言説を発信した人を否定したり批判したりするものではありません。あくまで発信された内容が事実か否かを確認して社会と共有するものです。

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