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【衆院選26FactCheck】「解散は首相の専権事項」は本当か?<琉球新報・ファクトチェック取材班>  

【衆院選26FactCheck】「解散は首相の専権事項」は本当か?<琉球新報・ファクトチェック取材班>  

2月8日に開票が行われる衆議院選挙についてInFactは琉球新報と連携してファクトチェックを進めている。これは琉球新報が報じた記事をInFactで共有するもので、木原官房長官が会見で語った「解散は総理の専権事項」についてファクトチェックを行ったものだ。この言葉は半ば常識のように与党の政治家や政治メディアによって語られるが、本当にそうなのか?

検証言説

木原稔官房長官、鈴木俊一自民党幹事長ら 「解散は総理の専権事項」(1月13、14日の記者会見)    

結論

憲法に「専権」規定はなく、不正確・ミスリーディング  

ファクトチェックの詳細

今回の衆院選は、高市早苗首相が通常国会冒頭で衆議院を解散して実施される。首相の「解散」に野党や選挙実務を担う自治体から批判の声が上がっているが、政権幹部らは「解散は総理の専権事項」と主張している。

衆院解散は憲法の7条(下に条文)と69条で規定されている。7条は「内閣の助言と承認」により天皇が行う国事行為を定めた条項。69条は衆院での内閣不信任決議案の可決、あるいは信任案の否決に伴うものだ。いずれも主体は「内閣」で、首相の専権を定めた規定はない。  

2005年に小泉純一郎首相(当時)が郵政民営化法案を巡って解散した際には、閣僚から異論が出た。解散詔書への署名を拒否する農水相を罷免しなければ解散ができなかった。三木内閣では、閣僚の大半が署名を拒否したため解散が見送られた。

首相の専権で、自由に衆院解散できるという言説は不正確だ。

(琉球新報・衆院選ファクトチェック取材班)

琉球新報の記事はこちらから読めます。→ https://ryukyushimpo.jp/national/entry-4979670.html

編集長追記

今回、琉球新報のファクトチェック記事をInFactにも掲載することができたことはInFactのみならずファクトチェック・メディア全体にとって意味の有ることだと考えています。ファクトチェックが日本で本格的に始まったのは2017年の総選挙でした。その当初から琉球新報、InFactはそれぞれ独自にファクトチェックに取り組んできました。

異なるメディアの連携は信頼関係が無ければ成立せず、10年近くファクトチェックを行って来た双方の実績が有ってのことと考えています。ただ、メディアとしての差を考えた時、その取材力と実績で沖縄の県紙という存在を超えてメディア史に名を残す琉球新報と、私どもInFactとでは大きく異なります。そうした中で私どもInFactを信頼してくれた琉球新報の関係者の皆さんに、この場を借りて謝意を伝えさせて頂きます。

選挙戦は1月27日の公示後に本格化します。InFactは今後も琉球新報との連携を重視しつつ、独自でのファクトチェックにも力を入れていきます。今回の琉球新報の「解散は首相の専権事項」に関するファクトチェックの続編として、InFactでも近くその背景を確認するファクトチェック記事を出す予定です。こちらもお読みいただければ幸いです。

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