産経新聞によると、馳大臣は15年10月15日に、12年以降の2年間にこの会社から受けていた寄付232万円については返還したという。記事によると、返金した理由については「(会社が得ていた補助金が)県の補助金だから良いということではなく、十分に内容とか規模も踏まえた上で判断した。ましてや私の後援会長なので、誤解を招かないように返金した」と、澁谷工業への補助金は県からのもので、法律が禁止している要件にあたらないとしている。
しかしアイ・アジアがこの会社の有価証券報告書を調べたところ、2010年7月から2015年6月までで10億6900万円、関連会社も含めると11億4700万円もの「国庫補助金」を受け取っていると記載されており、澁谷工業が国からの補助金を受けている可能性が高いことが分かった。
馳大臣と澁谷工業に質問状を送付した「安保法制賛成議員の落選運動を支援する弁護士・研究者の会」の阪口徳雄弁護士は次のように話している。
「仮に返金したとしても、税金が国会議員の政治団体に一旦流れたことは明らかであるので、どのような補助金であったのか、または口利きがあったのではないのかの疑いがある以上、その説明責任をはたすべきである。7月の参議院選挙に立候補予定の者に、このような国の補助金→県→企業→政治献金の場合も禁止する方向での立法に賛成かどうかのアンケートを実施するなどして政治とカネにルーズな議員について調査していきたい」。