「日本の借金時計」というサイトがある。これは、日本政府の借金の総額を表示しているもので、利息が増える毎にその額が増える仕組みになっている。そこには、借金の総額と、それを国民1人あたりに換算した金額が表示されている。それを見ると、日本政府の借金が1000万円増えるのに要する時間はわずか10秒。精緻な数値ではないが、この国の借金の状況を理解するために頭に入れておきたい数値だ。(アイ・アジア編集部)
43%、38.3%、35.6%・・・これは日本政府の一般会計の歳入に占める国債など公債の占める割合を示しもので、順番に2014年度、2015年度、2016年度の当初予算に占める公債の割合だ(2016年度は政府案)。減る傾向には有るが、それはなだらかなものだ
政府は常に国債の発行を抑制して財政再建に努めると主張するが、公債に頼る比率が急激に減る状況にはない。中には国債発行を恐れるなと言わんばかりの言説も有り、例えば「国債を買い支えているのは日本国民だから安全だからギリシャの様に暴落することはなく心配する必要はない」という意見や、「景気が良くなれば借金は返済できるので、今は景気のテコ入れのために国債を発行するのはやむを得ない」という意見などが今も幅を利かせている。
しかし、借金の額が10秒で1000万円増えるという状況は異常だ。これを単純な計算値だと笑えるだろうか。アイ・アジアは政治と金の問題に特に力を入れて取材をしてきたが、今後は日本政府の予算についても取材の矛先を向けたいと考えている。その一歩として、ウエブサイトに「日本の借金時計」を掲載することにした。その時計がいつか完全に止まることを願ってのことであることは言うまでもない。