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豪雨災害でボランティアが体験した困難とは①

ホテルでチェックインを済ませてみると、前日(7月13日)まで続いていた断水が解除になったとホテルの係員が話した。しかし、「飲料水としては使用できない」という。被災地に入ったことを実感した。簡単に食事をして床に入った。

ホテルの中にあった張り紙 写真:加藤雅史
ホテルの中にあった張り紙 写真:加藤雅史

翌15日、朝5時に目が覚め、朝ごはんのサンドウィッチを食べると出発の準備をする。現場の様子が分からないので、できる限りコンパクトに装備をまとめる。リュックには、消毒液と絆創膏が入った救急キット、ジップロック、昼ご飯のパン、塩飴、水筒、水2Lペットボトル2本、ウェットティッシュを入れる。

8時半に三原市のボランティアセンターに車で行った。受付で氏名、住所、保険の有無、健康状態などを記入すると、待機場所に案内された。

ヘルメットに付けた名札のシール 受付後にこうしたシールを見えやすい所に張る 写真:加藤雅史
ヘルメットに付けた名札のシール 受付後にこうしたシールを見えやすい所に張る 写真:加藤雅史

そこで待っていると、社会福祉協議会の担当者が来て、「男性10人、泥かき出しをお願いします」と言った。

私は手を上げた。他の9人の男性も集まり、担当者から依頼内容と注意事項、必要資機材が告げられた。

その中で依頼者からの追加の要望や相談、メンバーの安全管理を行うリーダーを決める。「どなたか、リーダーになっていただきます」と担当者が言った。残りの9人の男性が一斉に私の方を見た。

その装備を見ての事だろうか。「一番慣れてそうだから」という理由で、私がリーダーに選ばれた。スコップやバケツ、土嚢袋などを依頼内容から考えられる機材を社会福祉協議会から借りると、軽トラック1台を含む4台に分乗し現場に向かった。

場所は、広島県三原市船木地区の山に近い民家。説明では、豪雨の際に、約20世帯が浸水している。

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