取材班が中国芸術基金会にチェン氏の不動産取得について問い合わせた後、この団体のウエブサイトがネット上から削除されたという。この一連の取引について、トランプ大統領の企業グループの側もチェン氏の側も取材に応じていない。
(参考記事: 米トランプ政権、初軍事作戦でつまずき 戦死した米兵の父親が「バカげた作戦」と批判(38))
記事の中で、オバマ政権で大統領の倫理問題に関するチェックを行ってきたノーム・エイセン弁護士は、チェン氏、中国芸術基金会、中国の情報機関の関係を考えると、一連の不動産取引は深刻な疑問を呈するとしている。そして、こうした疑問は本来、「大統領の職にある人間が問われるべきものではない」と話す。
なぜチェン氏は公になっていない物件を購入できたのか。なぜ現金での支払いだったのか。これだけの規模の不動産取引で現金というのは極めて珍しい。本当の買主は他にいるのか。様々な疑問が出てくる。
取材をしたラス・チョーマ記者は、「トランプ大統領は身の潔白を証明できるかもしれない。しかし、何れにせよ大統領はこの取引について米国民に説明する責任が有る」と話している。
(参考記事: 3 1 1 緊急特集 「 福島第一原発事故から6年 」 「甲状腺がん多発 − 被曝の影響は本当に無いのか?」後編))
トランプ大統領は習近平国家主席と来月会談することになっている。
※マザー・ジョーンズは1976年に設立された調査報道を専門とするNPOメディア。雑誌として始まり、現在はオンライン・メディアとして活動。サンフランシスコに本部。ワシントンDC、ニューヨークに支局を持つ。名称は20世紀初頭に活躍した米国人女性で「マザー・ジョーンズ」と呼ばれた労働活動家のメリー・ジョーンズに因んでいる。トランプ大統領に関する調査報道で2017年の全米雑誌賞を受賞。
(参考記事: 現地報告:中国共産党腐敗官僚の実態1))