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報道ステーションが使った「アメリカ政府関係者」の怪

何れのケースを指す場合も、「アメリカ政府関係者」という表記はそぐわない。敢えてその表記をしたとすれば、極めて稚拙であり杜撰だと言わねばならない。これは情報源を守るという以前の問題であり、報道機関としての説明責任の放棄に近い

テレビ朝日「報道ステーション」1月8日の画像から
テレビ朝日「報道ステーション」1月8日の画像から

1つの可能性を敢えて指摘しよう。報道ステーションの報道は、年末に各社に流れた日本政府のリークを報じたものではないか。つまり、日本政府からの不明確な情報をあたかも米国政府から独自に仕入れた情報かのように報じたのではないだろうか。

もしそうでないと言うなら、テレビ朝日は情報源を、その情報源が特定されないギリギリの範囲で視聴者に説明する義務が有る。勿論、情報は正しいのかもしれない。しかし、結果的に正しいか否かだけが重要なのではない。報道機関は予測屋ではない。

情報源を可能な限り明確にする。フェイクニュースの問題が大きくなる昨今、それが報道機関の責務であることにテレビ朝日は気づいた方が良い。

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