第3 資料
(1)『虎ノ門ニュース』からの取材申請書(8月7日)とそれに対する回答(8月10日)
理事兼事務局長 楊井人文さま
取材申請書
株式会社DHCテレビジョン
代表取締役社長 山田晃(DHCテレビジョン)
プロデューサー 山下悟(取材担当)
ディレクター 城後亮介(取材担当)
謹啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
弊社制作「真相深入り!虎ノ門ニュース」7月24日(金)配信回におきまして、ファクトチ
ェック・イニシアティブさまからのご指摘への回答、ならびにコメンテーターの武田邦彦氏、
須田慎一郎氏からの公開質問を配信いたしました。私どもといたしましては、こちら側の一方
的な配信にとどまらず、御社のご意見も踏まえ正しい報道のあり方について検討していきたい
と思っております。つきましては下記要項にて取材申請させて頂きたく、お忙しいところ誠に
恐縮ではございますが、何卒 ご検討の程、宜しくお願い致します。
敬具
記
取材申し込みの意図
7月10日(金)に配信いたしました当番組での武田邦彦氏の発言に対し、御社から「事実誤
認の発言が複数ある」と訂正の申し入れがございました。その後、番組側も対応していく中で
いくつかの疑問が浮かび上がってきました。私どもといたしましては、ファクトチェックを否
定するのではなく、その在り方を伺い、ともに議論を深めていければと思っております。
主な質問項目
■武田氏の言説を選んだ理由について(ガイドラインの基準を逸脱しているのではないか)
■武田氏に何ら連絡もなく、一方的にファクトチェック記事を公表・発信したことについて
■御社の方針として「原則として1本の記事ごとに持ち回りで3名の委員が担当し~」とある
が「3名の委員」とは、具体的に誰を指すのか
■ファクトチェックの対象基準について
■今回の判定に至った経緯について
■武田氏に関するファクトチェック記事は、具体的にどのメディアパートナーが作成したもの
なのか、など
※上記につきまして、楊井さまへのインタビュー取材をお願いできればと思っております。
日時につきましては、別途、ご相談させて下さい。
放送予定番組 DHCテレビ『真相深入り!虎ノ門ニュース』
8:00~10:00(月~金)YouTube・FRESH LIVE!・ニコ生にて配信中
放送予定日時 未定
連絡先 株式会社DHCテレビジョン(以下、略)
これに対する回答(8月10日)は次の通り。
山田晃 様8月7日に取材申請書をいただきました件で、
そこにも記しておりますように、
にもかかわらず貴番組では、何度もFIJの名前を出して、
今回の回答は、あくまでFIJとしての回答になります。
また、先日の取材申請書には、
その際はインファクトとして取材の対応につき、
ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
株式会社 DHC テレビジョン 山田晃 様
8月7日付取材申請書で頂きましたご質問について、以下の通り回答いたします。
■武田氏の言説を選んだ理由について(ガイドラインの基準を逸脱しているのではないか)
■ファクトチェックの対象基準について
(回答)
どの言説・情報をファクトチェックの対象とするかについては、メディアパートナーがそれぞれ判断しているものであり、FIJが選択しているわけではありません。ご指摘のファクトチェック記事は、メディアパートナーであるインファクト(InFact)が作成し、発信したものです。
検証対象言説を選択した理由についてファクトチェック記事中で記すかどうかも、メディアパートナーの判断に委ねており、理由の記載を必須としているわけではありません。
ファクトチェックの対象について、FIJのファクトチェック・ガイドラインで次のように規定してお
ります。(https://fij.info/introduction/guideline)
2 対象言説の特定
(1) ファクトチェックの検証対象
a. 原則として、客観的な証拠によって事実の存否や正確性を検証しうる「事実言明」とします。
何ら事実言明を含まない意見表明や主張は、ファクトチェックの対象としないものとします。
b. 検証の対象は、不特定多数者に公開され、社会に影響を与える可能性のある言説とします。
■武田氏に何ら連絡もなく、一方的にファクトチェック記事を公表・発信したことについて
■今回の判定に至った経緯について
■武田氏に関するファクトチェック記事は具体的にどのメディアパートナーが作成したのか
(回答)
ご指摘のファクトチェック記事は、メディアパートナーであるインファクト(InFact)が作成し、発信したものです。記事の作成経緯や内容について、FIJからコメントすることはありません。
■御社の方針として「原則として 1 本の記事ごとに持ち回りで3名の委員が担当し〜」とあるが「3名の委員」とは、具体的に誰を指すのか
(回答)
編集委員会は、メディアパートナーがファクトチェック記事を発表した後に、各記事がFIJのガイド
ラインに適合するかどうかを事後的に審査しているものです。掲載前に原稿を確認、審査しているものではありません。また、編集委員会のメンバーは公表しており、1本の記事あたり3名の委員が審査を担当しておりますが、個々の記事についてどの委員が担当しているかは公表しておりません。記事の作成に関与した委員は、審査の担当を外れております。
2020 年 8 月 11 日
楊井 人文(FIJ理事 兼 事務局⻑)
(2) インファクトから須田慎一郎氏に対する取材申請書(8月31日)
須田 慎一郎 様、
インファクト共同編集⻑の楊井と申します。
インファクトが掲載したファクトチェック記事を発端とした⻁ノ門ニュースでの一連のご発言について、以下の事項につき質問させていただきたく、取材申込いたします。
可能であれば、対面での撮影・録音に基づく取材を申込いたします。
難しいようでしたら、書面(メール)での回答を頂ければと思います。
なお、回答の有無にかかわらず、インファクトとしては、これまでの経緯、番組内での発言内容は、当サイトで詳らかにして、読者・視聴者のご判断を仰ぐ所存です。
(質問1)
武田邦彦氏の発言に関するファクトチェックは、インファクトが作成、発表したものであることは、当初より明らかです。にもかかわらず、この間、須田様は、FIJの名前を出し、FIJがファクトチェックを行ったかのように視聴者に誤解させる発言や、FIJに関する事実誤認に基づく発言を繰り返しされました。7月13日放送の番組では、番組および須田様が当方に取材を継続しているかのような発言がありました。
しかし、実際にあったのは、8月7日の虎ノ門ニュース名義(インタビュアーの記載なし)での取材申込であり、それも記事を作成・発表したインファクトではなく、FIJに宛てたものでした。須田様からはこの間、インファクトに対してはもとより、FIJに対しても直接の取材は一度もありませんでした。当方は以上の事実認識に基づき、記事化させていただく予定です。
そこでお尋ねします。この間、須田様は、これまでインファクトに一度でも取材を打診したことがあるのか、もし取材を申し込まれたのであればいつ、どのような方法で行われたものなのか、当方の見落としがあればいけませんので、ご教示ください。
(質問2)
須田様は、8月21日放送の虎ノ門ニュースにて、当方が取材拒否したかのような発言をされていますが、FIJは直接、記事の作成等に関与していない以上、それに関する質問にFIJが回答できないのは当然のことです。インファクトに質問していただければ、取材対応する考えがあることやインファクトへの取材連絡先は、虎ノ門ニュース担当者の山田氏にお伝えしていました。須田様は、山田氏からこのことを聞いておられましたでしょうか。
(質問3)
武田邦彦氏は、4月16日ブログ上で「PCR検査は新型コロナの検査にならない」「普通の風邪をコロナと判定してしまう」という趣旨の発言を含む動画を配信しました。これについてインファクトがファクトチェックした結果が「[新型コロナFactCheck] 「PCR検査は風邪も検出」と誤った主張の動画が拡散」(6月18日掲載)という記事です。
また、7月24日放送の虎ノ門ニュースで、武田氏は「PCR 法を開発したノーベル賞を取った人がウイルスの特定にはふさわしくないと言っている」という発言をされました。この発言についてインファクトがファクトチェックした結果が「[新型コロナFactCheck] 「PCR法を開発してノーベル賞を取った人が『ウイルスの特定にはふさわしくない』と言った」は本当か?」(8月14日掲載)という記事です。
これらの発言について、番組内でも具体的な根拠に基づく反論はなされていないと承知しております。また、武田氏はこれらの発言を訂正していませんし、番組としても訂正したことはないと承知しております。
そこでお尋ねします。須田様は、武田氏の上記一連の発言内容は、事実に基づいた正確な発言である、というご認識でしょうか。また、インファクトが発表した記事に、事実誤認など訂正すべき点があれば、教えてください。