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【日本学術会議問題】加藤官房長官会見(10月2日)

【日本学術会議問題】加藤官房長官会見(10月2日)

菅義偉首相が日本学術会議の会員6名の任命を拒否した問題について注目が集まっている。加藤勝信官房長官は、任命しなかった理由について、人事について話せることに限界があるとして任命を見送った個人名も含めて明言せず、任命の見直しを行う考えもないことを明らかにした。(インファクト編集部)

(注)会見録一覧はこちら。記者会見は公開情報ですので、転載等は自由です。首相官邸サイトの動画などで発言内容を確認し、日本学術会議関連の発言は全て抽出するようにしています。途中で別の内容で質疑応答があった箇所は横ラインを入れています。聞き取りにくい部分などは●●としています。必要に応じて正確を期すための修正を行います。

加藤勝信官房長官 定例記者会見(10月2日午前)

(記者)
●●です。話題変わりまして学術会議についておうかがいいたします。
学術会議の会員をめぐり立憲民主党など野党4党の党首らが昨夜会談し、学問の自由を脅かし憲法違反に当たるとして国会などで追及する方針を確認しました。
また、野党からは政治的意図を持っていたとすれば看過できないという批判も出ていますが、こうした批判についてどのように受け止め答えていくお考えでしょうか。

(長官)
昨日も説明をさせていただいたとおりですね、日本学術会議の会員についてはこれまでも専門領域の業績のみにとらわれない広い視野に立って、総合的俯瞰的観点からの活動を進めていただくために累次の制度改正がなされてきたところでありまして、今般これを踏まえて内閣総理大臣の所轄の下の行政機関である日本学術会議について、任命権者である内閣総理大臣が日本学術会議法に基づいて任命を行ったということであります。
そうした説明をですね、引き続き行っていきたいというふうに考えております。

(記者)
●●です。関連しておうかがいします。
改めてになりますが、今回の日本学術会議の問題ですね、科学者など研究者への研究内容について、今後萎縮にはつながらないという考えでしょうか。

(長官)
今回あくまでもですね、先ほど申し上げましたように、日本学術会議からの推薦に基づきながら、私どもとして専門領域の業績のみにとらわれない広い視野に立って、総合的俯瞰的観点からの活動を進めていただくため、累次改正がなされてきたこと、こうしたことを踏まえて実施をしたということでありますから、直接そうしたことにつながるものではないというふうに考えています。

(記者)
●●です。よろしくお願いします。関連でおうかがいします。
いまほども総合的俯瞰的観点から活動していただきたいという観点で●●おります。
昨日の午後の会見、また昨夜のフジテレビの「プライムニュース」でも同様の発言されてると思いますけれども、学術会議法が規定している基準ではないと思うんですが、おっしゃっている総合的観点というのは菅政権における任命の一種の基準なんでしょうか。
そのご認識をお願いいたします。

(長官)
いやこれ、先ほど申し上げましたように、日本学術会議というのはわが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発展を図り、行政、産業および国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として設置されたものであります。
で、例えば直近の改正、これは累次改正をされてきているわけでありますけれども、日本学術会議は科学者コミュニティーの総体を代表し、個別学協会の利害から自立した科学者の組織とならねばならず、在来の学問分野や諸学問分野の勢力図から離れて組織が構成され、メンバーも●出されるべきとされております。
これはあの、総合科学技術会議の意見具申の中であります。
そうしたこと、これまでのそうした議論を踏まえて申し上げているということであります。

(記者)
朝日新聞のキクチです。重ねておうかがいします。
今回任命に至らなかった方が6名いるわけですけれども、長官がおっしゃるこの6名は個々の理由は述べられないということですが、おっしゃるように、総合的俯瞰的観点から考えた結果、任命に至らなかったと理解してよろしいんでしょうか。

(長官)
あの、むしろこれは任命をするということでありますから、もちろん裏返しにおいてはそういうことにつながりますが、私どもはそういう観点に立って任命をしたということであります。

(記者)
朝日新聞のキクチです。
日本学術会議の設立の趣旨としては、戦前の軍や政治からの学問分野への介入に対して学問は独立し自由であるべきだということが根底にあります。
今回新会員に対してですね、政権の判断で任命されなかったことはやはり政治の介入と受け取られても仕方ないのかなと思うんですけれども、こうした不信にどのように説明されていくんでしょうか。

(長官)
あの、日本学術会議、昨日も申し上げましたけど、内閣総理大臣の所轄の下のこの行政機関であります。
もちろんその運営に当たっては独立性というものは当然求められていると思いますけれども、しかし、あくまでも内閣総理大臣の所轄ということであります。
そうした観点、そしてこれまでの法律改正の経緯等々を踏まえて、任命に当たってですね、私たちとしてその責任を果たさせていただいてるということであります。

(記者)
毎日新聞サトウです。関連しておうかがいいたします。
形だけの推薦制であって学会から推薦していただいた者は拒否しないとの1983年の政府答弁に関して、長官は昨日の記者会見でですね、この発言は科学者の学問研究上の業績を最も適切に評価できる学術団体を基礎とする推薦制に改めたられたときの答弁だと説明されました。
確認ですが、政府が学会から推薦していただいた者は拒否しないという姿勢をとらなくなったのは、平成16年の再任不可制度を導入したときからという理解でよろしいんでしょうか。

(長官)
取らなくなったというよりも、これは昨日申し上げましたように、そうした経緯で、その後再度、選出、推薦のやり方等を変更されてきているわけであります。
そうした流れということは先ほど申し上げたように、まさに専門領域の業績のみにとらわれない広い視野に立って総合的俯瞰的な活動を進めていただくため、そうした改正がなされてきた。
そうしたことを踏まえてですね、これまでもそうしたスタンスに立って任命をさせてきていただいたということでありまして、今回、昨日もたしか申し上げましたように、結果において推薦に比べて任命をされた方の人数が少なくなってきているということであります。

(記者)
毎日新聞サトウです。重ねておうかがいいたします。
その制度改正の部分と総理が実質的に拒否権を働かせる必要が生じたという部分との関連性について、ちょっとよく理解できない部分があったんですが、御所見いただければと思います。

(長官)
いやですから、累次の改正の中で先ほど申し上げた総合的俯瞰的観点から活動を進めていく、そうした会議体であるということに関して、当然政府としてもですね、任命する立場として責任があるわけでありますから、その責任をしっかりと全うしていくということ、それに尽きるわけであります。

(記者)
毎日新聞サトウです。関連でお伺いいたします。
日本学術会議内では今回任命されなかった6人について、任命すべきだという声が強いのですが、この人事を見直す考えはおありでしょうか。

(長官)
私どもとしては今回推薦をしていただいた名簿からですね、先ほど申し上げたプロセスを経て任命をさせていただいたということであります。

(記者)
東京新聞のムラカミです。その日本学術会議の件でおうかがいいたします。
学術会議は2017年には軍事応用できる基礎研究の費用を助成する防衛省の安全保障技術研究推進制度の予算が、自民党国防部会の強い主張などを背景に増大したことを踏まえ、軍事研究に関する声明を発表して、政府による介入が著しく問題が多いと批判をしました。
今回、こういった国防族など自民党側から、もしくはその政府以外からですね、政府や総理に対して、任命に対してこの意見や干渉などあったということはあったのでしょうか。

(長官)
私が承知している限りはありません。

(記者)
東京新聞のムラカミです。
任命されなかった東京大学の加藤陽子教授は報道からの取材に対して、前例の、ごめんなさい、この決定の背景を説明できる協議文書や決裁文書が存在しているのか、その決定の経緯を知りたいというふうに話しています。
このような決定に至る経緯の協議文書や決裁文書というのはあるんでしょうか。

(長官)
まず、ご質問でですね、どなたが任命の対象外になっているかについては、これまで私どもは個人情報ということもあって申し上げてきていないということをまず冒頭、お断りをしたいと思います。
その後、一般論としてというご質問でですね、そうした文書については、これは公文、内閣府において公文書管理法に基づき適切に対応すべきものだというふうに思います。

(記者)
重ねてお伺いいたします。東京新聞のムラカミです。
その任命を拒否した理由について答えられないというふうにご説明いただいていますけれども、その理由を明かせないということは、その、日本学術会議側も知ることができないということで、今後推薦する際に、この人は任命されるのか、もしくは任命されないのかということを今後どういうふうに判断すればよろしいんでしょうか。
それまでの業績内容や政府への政策に対しての発言内容を見て、まさに忖度して推薦するしかないということになるんでしょうか。

(長官)
いやいや、それはもちろん推薦はあくまでも日本学術会議がご自身の中で決めていくわけでありますから、それはそれぞれの学術会議の立場に立ってですね、あるいは観点に立って推薦はしていただければと思います。
それを踏まえて、また政府は政府の視点、先ほど申し上げてきた視点に立って任命をさせていただく、まさに役割分担ではないかなというふうに思います。

(記者)
もう1点お伺いいたします。東京新聞のムラカミです。
昨日、憲法6条の天皇による総理の任命、最高裁長官の任命との関連でおうかがいいたしました。
その憲法23条にはですね、学問の自由を定めているわけですけれども、この23条は「学問の自由はこれを保障する」と、数ある人権規定の中でも一番シンプルに書かれています。
昨日ご説明でですね、あくまで憲法である、片や法律である、また先ほどもご説明ありましたけれども、総理の所轄の下にある行政機関であるというご説明をいただいたかと思います。
あの、この憲法に簡潔にですね、「学問の自由はこれを保障する」というふうに23条で書かれている以上、憲法というのは全て法律に優先するということを考えますと、やはりこれ、政府が推薦の認否を判断するということは学問の自由に反するという、そういったことにはならないんでしょうか。

(長官)
いや、昨日のたしかご質問は、任命に関する憲法の条項をおっしゃったと。
これは天皇の国事行為と絡む、まさに憲法全体の中での話という意味で申し上げた。
そして、本件は日本学術法(ママ)という法律に基づいて私たちがやらせていただいている。
しかも、日本学術会議というのは内閣総理大臣の所轄の下にある、そこは構造的に違いますよという説明を申し上げたわけであります。
今、また違う視点でご質問になられた、学問の自由というものをどうするかということだと思います。
これは当然、私ども憲法に書いてある学問の自由はしっかり保障していかなきゃいけないというふうに思っています。

(記者)
ジャパンタイムズのスギヤマと申します。関連でおうかがいします。
菅総理はですね、自民党の総裁選挙の勝利の後の会見でですね、安倍政権下で起きた加計とか森友とかの問題の認識を問われたときに、客観的におかしいと思ったことについては正しくしていかなければならないというふうに思うし、国民にも何事も丁寧に説明することが大事だというふうにも思うと発言されましたけれども、今回の件もですね、やはり慣例を破って、推薦されたにもかかわらず、なぜ任命がされなかったのかということに関し、色々な疑念が抱かれているわけですけども、やはりそういった国民のために働く内閣ということを菅総理もおっしゃっているわけですから、そこはやはり改めて理由を明快に説明すべきではないでしょうか。

(長官)
まさに国民のための内閣であり、そして内閣、その内閣総理大臣の下に置かれている日本学術会議というものに対して、法律を踏まえ、あるいはこれまでの改正経緯も踏まえてですね、私たちは私たちの責任を果たしていかなきゃならない、そういうスタンス、本件だけではありませんけれども臨んでいるわけであります。
ただ、他方で人事の話になればですね、当然お話しできる話というのは限界がありますから、その中でできる限りの説明は行っているところでありますし、引き続き行っていきたいと思います。

(記者)
京都新聞●●です。関連しておうかがいします。
山極、日本学術会議、山極前会長がですね、任命されなかった6人に関して、文書で総理宛てにですね、えー、提出をですね、されていると思うんですが、その点に関して、昨日、長官、事務方のほうで検討すると、対応に関して。これに関してどうなりましたでしょうか。

(長官)
たしか昨日の段階で、その前の日にたしか提出いただいたというふうに申し上げたということだと思いますんで、今鋭意、事務方の方で検討されているというふうに思います。

(記者)
基本的にはなされる、あ、すみません、京都新聞●●です。
基本的には回答をですね、なされるような意思はおありなんでしょうか。

(長官)
そうした、そういったことも含めてですね、今、事務方で検討が行われているということであります。

(記者)
京都新聞●●です。関連します。
え、学術会議ですね、なり、今回任命されなかった6人の方からは、ま、やはり不満というか、疑問の声もですね、上がっているわけですけれども、これ少なくとも何らかの形で学術会議側、外されたですね、えー6人の方に対してはしっかり説明をしたほうがいいんじゃないかと思うんですが、その点に関してはどうお考えでしょうか。

(長官)
まさにそれを含めて、こうした場において説明をさせていただいているということであります。

(記者)
●●です。
学術会議関連でおうかがいします。
先ほど協議文書について適切に対応するという、協議文書ですね、任命するかどうかという、これは作成しているという理解でよろしいんでしょうか。

(長官)
あの、どういう文書を作成しているかどうか、私承知しておりませんが、しかし、いずれにしても、そうした文書については公文書管理法というのが、などがありますから、それに基づいて適切になされていなきゃなりませんし、いるはずだというふうに思っておりますので、あとはそれにのっとって対応していくということであります。

(記者)
北海道新聞●●です。
この件に関して、長官ご自身は総理から事前に相談などは受けていらっしゃったんでしょうか。

(長官)
いや、これは私自身は決裁の段階で説明を受けたということであります。

(記者)
朝日新聞キクチです。関連で再びおうかがいします。
先ほどジャパンタイムズの質問にもありましたが、菅総理はまさに国民に丁寧に説明していくべきだと抱負を語られているわけです。
今回の任命権者は菅総理です。
菅総理が国民に向けて自ら説明すべきだと私は考えます。
会見など開くべきではないかと思いますが、官房長官のご認識をお願いします。

(長官)
政府全体の対応について、まさに説明するのは内閣官房長官の役割でありますし、そのためにこうした場が設けられているというふうに思ってますんで、皆さんからの質問に対してはここで私が答えさせていただいている、こういうことであります。


2020年10月2日午前、首相官邸

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