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【日本学術会議問題】加藤官房長官会見(10月19日)

【日本学術会議問題】加藤官房長官会見(10月19日)

菅義偉首相が日本学術会議の会員6名の任命を拒否した問題で、任命人事に関与したとされる杉田和博官房副長官の国会招致を野党側が求めたことについて、加藤勝信官房長官は国会が決めることに従うとして政府の考えは明らかにしなかった。(インファクト編集部)

(注)会議録一覧はこちら。記者会見は公開情報ですので、転載等は自由です。首相官邸サイトの動画などで発言内容を確認し、日本学術会議関連の発言は全て抽出するようにしています。途中で別の内容で質疑応答があった箇所は横ラインを入れています。聞き取りにくい部分などは●●としています。必要に応じて正確を期すための修正を行います。

加藤勝信官房長官 定例記者会見(10月19日午前)

(記者)
共同通信のカサイです。日本学術会議についておうかがいします。
総理は、会員候補6人の任命拒否の理由に関して、2015年の有識者委員会の報告にある「自らの専門分野の枠にとらわれない俯瞰的な視点」などを踏まえたとおっしゃっておりますが、当時の複数の委員がですね、任命拒否や人事介入を想定した議論をしなかったと証言しております。
有識者の結論と総理の理由説明に開きがあるのではないかとの指摘もありますが、政府の認識をお聞かせください。

(長官)
平成27年に、いまお話があった有識者会議によってまとめられました「日本学術会議の今後の展望について」は、日本学術会議をめぐるこれまでの経緯や動向を踏まえつつ、学術会議に期待する役割や、その役割をさらに発揮するための課題などについての議論を踏まえ、学術会議の組織としてのありかたなどについてまとめられたものであり、総合的俯瞰的な活動の確保は、平成15年の意見具申、これは総合科学技術会議の意見具申に続いて、その中でも論じられている考えであります。
政府としては内閣総理大臣のもと、特別の機関である日本学術会議の会員は特別職の国家公務員であることから、平成15年の意見具申、およびそれを受けた法律改正、さらには、いま申し上げた平成27年の提言の趣旨を踏まえ、日本学術会議が専門分野の枠にとらわれない広い視野に立って、総合的俯瞰的視点、観点からの活動を進めていただくため、任命権者として日本学術会議法に基づいて任命を行ったと、これまでも説明してきたところであります。
その姿勢には何ら変わるものはないということであります。


(記者)
朝日新聞のキクチです。重ねておうかがいします。
(世論調査の)数字に一喜一憂はしないということですけれども、弊社の世論調査では、菅総理が進められる携帯電話料金の引き下げなどには評価する声が圧倒的に多かった一方で、やはり学術会議で6人を除外した理由について、政府対応は妥当ではないとする声が多いです。
他社の調査でも、政府対応に納得できない声が多かった状況です。
今回支持率が下落したことは、こうした学術会議をめぐる政府対応に要因があるのではないかとお感じにはなりませんか。

(長官)
まず学術会議の関係ですけれども、ここでも申し上げておりますように、個々の人事の意思決定についてですね、具体的にお答えできる範囲には限界があるということを申し上げてきたところであります。
まずその点の理解を図っていくべくさらに努力をしていきたいと思いますが、その上で、引き続き任命にあたっての考え方、これは丁寧に説明していく必要があるというふうに思います。
世論調査について一つ一つ分析する立場ではありませんで、コメントは控えたいと思います。


2020年10月19日午前、首相官邸

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