トランプ氏の大統領就任式まで数日に迫った米国で、民主党議員が数十人規模で式への欠席を表明する異常な事態となっている。選挙時に対立しても結果が出たら新政権の誕生を全国民で祝うのが伝統だっただけに人々に衝撃が広がっている。政権移行チームは民主党議員に参加を呼び掛けているが、欠席者数は逆に増える状況だ。こうした事態は、その後退陣に追い込まれたニクソン大統領以来とされる。
●欠席者は60人ほどに
ドナルド・トランプ氏は今月20日に第45代米大統領に就任する。しかし、これまでの度重なる社会的少数者に対する暴言や女性蔑視発言に加えて、ロシアとの不透明な関係や本人の経営する企業と大統領職の「利益相反」が指摘され、批判はおさまる気配に無い。
こうした中で、民主党議員多数が就任式を欠席することを表明。ワシントン・ポスト紙はその数は60人ほどになるとみられると伝えている。
●公民権運動の象徴を揶揄したトランプ氏
この動きに拍車をかけているのは、トランプ氏が民主党のベテラン黒人議員、ジョン・ルイス氏を揶揄した問題だ。ルイス議員は人種差別と闘った公民権運動の象徴的な存在。NBCテレビのインタビューに対して、トランプ氏の大統領の正当性に疑問を呈し就任式への出席を見送ることを表明。