平和・安全保障【新田義貴のウクライナ取材メモ2024⑤ 深刻な弾薬不足の実態】 8月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻して2年半となった。戦争が終わる気配はない。ウクライナがロシア領内への攻撃に着手したとの報道もあるが、ウクライナが攻勢でロシアが劣勢とも言い切れない。侵略を受けたウクライナを支援する動きは自然なことだ。一方で、ウクライナの現状を冷静に見る視点も必要だ。新田義貴はその現状を見続ける。...
平和・安全保障【新田義貴のウクライナ取材メモ2024③ ロシアに連れ去られた子供たち】軍事侵攻から2年を迎えるウクライナで大きな社会問題になっているのが、戦時下における子供たちの心の問題だ。なかでも、占領地からロシア本国に連れ去られた子供たちの現状は分からない部分が多く極めて深刻だ。(取材・写真/新田義貴) こうした問題に果敢に取り組んできたNGOがある。2014年に設立された「セーブ・ウクライナ(SA...
平和・安全保障妻たちの叫び【新田義貴のウクライナ取材メモ2024②】ロシア軍の侵攻に立ち向かうウクライナの人びと。それは世界から支持されたが、それは当然、ウクライナの人びとに過酷な状況を強いるものだ。その中で声をあげたのは夫を戦地に送らざるを得なかった妻達。その声に耳を傾けた。(取材/写真:新田義貴) 「兵士たちは奴隷ではない!」 キーウに到着する3日前の2月11日、独立広場では女性た...
平和・安全保障【新田義貴のウクライナ取材メモ2024① 再び彼の地へ】2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻は長期化の様相を見せている。侵攻から2年の節目を前に、去年6月に始まったウクライナ軍による反転攻勢は大きな成果を上げることができないまま戦線は膠着状態が続いていた。そんな中、現地からは政権内部の様々な不協和音も聞こえてきていた。「いったい今ウクライナで何が...
平和・安全保障【新田義貴のウクライナ取材メモ⑨ 最前線の“ロシア系”住民】ウクライナでの戦争は続く。新田義貴は現地で救援活動をする日本人のジャーナリストと遭遇。その活動に同行して更に戦争の現実に迫っていく。(写真・文/新田義貴) 7月2日午後2時、オデッサでの取材を終えいよいよ最終目的地のウクライナ東部に向かう。写真家の尾崎孝史さんが運転するスズキの4WDで広大な平原を走ること8時間、夜10...
平和・安全保障ウクライナの日本人牧師【新田義貴のウクライナ取材メモ⑧ 】戦乱のウクライナで避難者らを支援する日本人牧師に出会った新田義貴。牧師は危険をいとわずに支援物資を現地の人々に配る取り組みを続けていた。牧師の取り組みと思いを取材した。(取材/写真:新田義貴) 6月28日、カホフカダム破壊による洪水被害の取材を続けていた僕は、被災者救援の拠点となっているキリスト教会を訪れた。ヘルソン郊...
平和・安全保障ゼレンスキーは英雄なのか?【新田義貴のウクライナ取材メモ⑦】「僕はゼレンスキーが嫌いだ」。ジャーナリストのセルヘイはそう言った。ゼレンスキーを英雄視することが当然視されるメディアの状況は日本でもウクライナでも同じだ。彼は英雄なのか?セルヘイの言葉は新田義貴に突き刺さった。(文/写真:新田義貴) 6月26日、ニコポリでの原発関連取材を終えての帰途、クリヴィー・リフという町で遅い食...
平和・安全保障【新田義貴のウクライナ取材メモ③】洪水被害の町ヘルソンへロシア軍による侵略の中で起きたウクライナの洪水被害。新田義貴は洪水の被害を取材に向かった。(文/写真:新田義貴) 6月23日午前7時、夜行列車はウクライナ南部の町ミコライウに到着。取材地のヘルソンのひとつ前の町だ。 当初はヘルソンの市内に宿泊することも考えたが通訳のセルヘイの判断で、ロシア軍による爆撃が激しくネット環境...
平和・安全保障「原発占領地」で不安は戦慄に変わった【新田義貴のウクライナ取材メモ⑥】戦場と化すザポリージャ原発。歴史の教訓から学び続けてきたはずの人類は、再び愚行を繰り返すかもしれない。その新田の不安は原発を前にして戦慄に変わった。(文/写真:新田義貴) 6月下旬、ウクライナ南部で洪水被害を取材していた僕にはもうひとつ気がかりなことがあった。ロシア軍侵攻直後の去年3月から占領下にあるザポリージャ原子力...
平和・安全保障【新田義貴のウクライナ取材メモ④】ダム破壊と洪水の傷あと新田は洪水で被災したヘルソンに入った。そこで鳴り響くロシア軍の砲声。新田が見たものは、復興作業もままならぬ戦場の不条理だった。(文/写真:新田義貴) 6月24日午後、ヘルソンのドニプロ川沿いにある住宅地を訪ねた。この地域は上流のカホフカダム破壊による洪水被害をまともに受けた。2週間以上が過ぎ水はほとんど引いているが、今...