昨年、ベトナム人の検挙件数は3315件に達し、前年から3割以上も増加した。在日外国人に占める割合では7パーセントに過ぎないベトナム人が、全体の4分の1近くの犯罪を犯しているのだ。
刑法犯の数では、人口で在日外国人の約3割を占める中国人よりも多い。窃盗は24パーセント、万引きに至っては実に57パーセントがベトナム人の犯行なのである。こうしたベトナム人犯罪のうち、留学生は半分以上に関わっている。
ベトナム人留学生たちは、ほとんどが多額の借金を背負い来日している。「日本に留学すれば、アルバイトで月20万—30万円は簡単に稼げる」といったブローカーの甘い言葉を信じてのことだ。しかし、現実に「月20—30万円」を稼ぐことは容易ではない。
◆このままでは凶悪犯罪発生の可能性
日本語学校から専門学校や大学に“進学”し、彼らは日本人の嫌がる仕事に明け暮れる。そうして稼いだ金の多くは、日本語学校に学費として吸い上げられる。せめて学費の支払いを逃れようと、不法滞在者となるベトナム人は後を絶たない。その後、窃盗などの犯罪に走ってしまうのだ。
こうした状況を見ると、私は「留学生10万人計画」の達成を政府が目指していた2000年代前半を思い出す。当時、中国から出稼ぎ目的で来日する“偽装留学生”が急増していた。彼らの受け皿となったのが、現在と同じく日本語学校、日本人の学生不足に悩む地方の大学などだった。授業などまともに行なわず、定員を大幅に上回る数の留学生を受け入れていた大学も多かった。