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トランプの米国とどう向き合うか? (11)~トランプ氏の大統領就任式に民主党議員が大量欠席 途中退陣したニクソン大統領以来の事態

これに対してトランプ氏がツイートで、「ルイス議員はしゃべるだけ。ひどい状態にある自分の州を何とかすべき」などとルイス議員と地元のジョージア州を揶揄したため、ここに来て黒人を中心に怒りが一気に噴き出した状況だ。ジョージア州を犯罪の巣窟のように語ったことが事実に基づかない批判を繰り返すトランプ氏のイメージを更に印象付ける結果となっており、州最大の新聞が一面で「How dare you(なんて奴だ!)」と次期大統領を批判する事態にもなっている。

政権移行チームはルイス議員や民主党議員に対して就任式への参加を呼び掛けているが、ルイス議員はその後に姿を見せた公式の場で、「我々は立ちあがる必要のある時には立ち上がり、声を出さなければいけない」と語るなど、呼び掛けに応じない姿勢を示している。

就任式をまつ連邦政府議会
就任式をまつ連邦政府議会

●過去には途中退陣したニクソン大統領時に

首都ワシントンを拠点にトランプ氏を取材しているベテラン記者は、「こんなことは経験したことがない。どんなに激しい選挙戦が闘われた後も大統領に対してはどちらの側も敬意を表すのが伝統だった。こうなったのは残念だが、こうなったことにはそれなりの理由があり、今後どうなるのかわからない」と話している。

就任式への議員のボイコットが記録されているのは、ウォーターゲート事件でその正当性に疑問が呈されていたニクソン大統領の1973年の二期目の就任式。その時、民主党議員に大量のボイコットが出たという。ニクソン大統領はその後、間もなく退陣した。

大統領就任前に早くも暗雲が垂れ込めるという状況のトランプ氏。就任式の翌日にも大規模な反対集会が首都で予定される。自ら招いた形の批判とどう向き合うのかが今後の政権運営の焦点になってきている。

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