●白人だけの集会
しかしこの前夜祭、やはり異様だった。トランプ氏を応援する若者やトランプ支持が書かれた赤い帽子を被った老夫婦など見渡す限り白人で、黒人やヒスパニック、アジア系といった人々は数えるほどだった。
[[image:image04|center|白人の集会と化した前夜祭]]
集まった白人の人々に話をきいた。コネチカット州から来たというアンドレア・ティーソン氏は、「勿論、トランプ氏の当選を祝うために来たわよ。私たちは彼を信じているわ」と話した。「白人ばかりだが?」と水を向けると、「そうかしら」と関心無さそうに答えた。
ジョージアから来たという大学生の男女の集団がいたので話をきいた。トランプ氏は自らの正当性に疑問を呈したジョージア州選出のジョン・ルイス議員をツイッターで揶揄した際に、ジョージア州についてもひどい場所だと中傷している。大学2年生のジェームズ・バーク氏は、「まったく気にしていない。トランプ氏はルイス議員の発言に腹を立てただけで、別にジョージア州を非難しようとしたわけじゃない。そんなことより、彼への期待の方が大きい」と話した。
見渡す限り白人という光景は、首都ワシントンでは極めて珍しい。普通の生活をしていて、様々な人種が混じった光景しか目にしないからだ。そこに見たのは明らかに、この国が今後向き合わねばならない分裂の姿なのだと感じた。