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トランプの米国とどう向き合うか? (12)~トランプ大統領就任前夜祭に見る米国の分裂

現場の警備にあたっていた警察官に来場者は何人になるのかと尋ねると、「数えられないが、8年前とは比べ物にならない。8年前はこの数倍は来ていたから」と話した。

8年前とはオバマ大統領の最初の就任式だ。その時のイベントは、白人だけの集まりではなかった筈だ。黒人を奴隷制度から解放したことで知られるリンカーン大統領の像の前で、まさか白人による白人のための行事が開かれるとは。リンカーン大統領も複雑な心境なのではないかと思った。

●統合を呼び掛けたトランプ氏
壇上に上がったトランプ氏は、「アメリカを再び偉大な国にするという我々のスローガンが指すアメリカとは、全てのアメリカ人を含んでいる」と統合の重要性を呼びかけた。しかしその言葉はフェンスの向こうには届いていない。

首都ワシントンの警備当局は、20日の就任式に一般参加する人の数は多くても90万人と見積もっている。これは8年前のオバマ大統領の就任式の参加者の半分ほどだ。一方、その翌日に予定されているトランプ氏の大統領就任に抗議する人々も、数十万人規模と見ており、不測の事態に備えて厳重な警備体制をとっているという。

反トランプの象徴となっている猫の耳のニット帽をかぶった女性達
反トランプの象徴となっている猫の耳のニット帽をかぶった女性達

首都ワシントンには、既に抗議集会に参加する人々も来ており、反トランプの象徴として広まっている猫の耳のついたピンクのニット帽をかぶった人々の姿も目に付いた。

トランプ氏は現地時間の20日の正午に注目の宣誓を行い、その後、この国のリーダーとしての初めてのスピーチをすることになっている。

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