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トランプの米国とどう向き合うか? (13)~事実より情宣?トランプ政権の広報戦略

実は、就任式の参加者数については公式な数字はない。首都の警備当局が上記のような情報から積み上げた数字が有るだけだ。8年前のオバマ大統領の時の就任式は倍の180万人だったとされる。その時、軍楽隊の一員として式に参加したトッド・ボールドウィンさんは会場前に広がるナショナル・モールの端にあるリンカーン・メモリアルまで人で埋まったと記憶している。

「凄い人の波だった。何度も式には出ているが、あんなに大勢の人で広場が埋まったことはない」

去年退役したボールドウィンさんは今回の就任式にも足を運んでいる。

「今回はその規模に遥かに及ばない。ちょうど、真ん中あたりにワシントンモニュメントが有るんだが、そこまでも人は埋まっていなかった」

スパイシー報道官のクレームを受けて各メディアが当時の写真などを検証。各社、その結果、ワシントンモニュメントより手前で人の姿は途絶えていると報じている。素直に考えれば、オバマ大統領の一期目の時の半分もいなかった可能性すら考えられる。

もっともトランプ大統領にせよ、スパイシー報道官にせよ、事実がどうかはあまり関係ないのかもしれない。

米雑誌社のベテラン記者が話す。

「彼らにとって事実よりも、重要なことはマスコミを批判し続けること。それが保守派の一部の人々には極めて有効に働くことを彼らは知っているんだよ」

事実よりも情宣。どうやらトランプ政権の広報戦術はそれに尽きるのかもしれない。

(Yahoo!個人からの転載です)

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