インファクト

調査報道とファクトチェックで新しいジャーナリズムを創造します

トランプの米国とどう向き合うか? (26)~日米会談どころではなくなってきたトランプ大統領

それは次のような説明になるという。

最高裁判事は9人で構成されるが、現在は去年2月に死亡したアントニン・スカリア判事のポストが欠員となっているため8人しかいない。その内訳は、共和党の大統領が指名した4人と民主党の大統領が指名した4人に分かれるため、恐らく結論が出ず、一審に差し戻される可能性が極めて高い。そうなると、判断するのは地裁で差し止める判断を示したロバート判事になるというから、大統領令を無効とする判断は必至だ。

 ドナルド・トランプ大統領(www.donaldjtrump.comより)

ドナルド・トランプ大統領(www.donaldjtrump.comより)

●日米関係をアピールできない可能性

それだけではないとこの新聞記者は話す。

この問題をめぐってトランプ大統領が地裁のロバート判事をツイートで批判したことが、司法の独立を認めない発言だとして問題となっているという。トランプ大統領は、スカリア判事の後任として保守派のゴーサッチ判事を指名しているが、民主党が態度を硬化させており、任命に黄信号が灯る事態に発展しているという。最高裁判所を味方につけたいトランプ大統領としては大きな戦略の見直しを迫られる事態だ。

安倍総理としてはこの機会に日米関係の緊密さを世界にアピールしたいところだ。しかし、トランプ大統領は、「心ここにあらず」の状態だ。また、共同記者会見が開かれても、米国の記者の質問がこの大統領令の問題に集中するのは必至だ。日米関係について質問するのは日本から随行する日本人記者だけというさびしいものになりそうだ。


Return Top