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トランプの米国とどう向き合うか? (7)~米トランプ次期大統領が会見で狙ったものは

●CNN批判も狙いのうちか

実は、この会見には、もう1つ、トランプ氏の狙いが隠されていたと私は見ている。それは、CNN記者とのやり取りだ。

CNNが報じた内容に関連した質問は既にほかの記者から受けており、トランプ氏は否定している。仮にCNNの記者から質問を受けても、同じように受け流せばその場は少なくともしのげる。

また、質問する記者を指名するのはトランプ氏だったわけで、単純にCNN記者の質問の声を無視するという手法も無いわけではない。何も、「お前は(お前の会社は)いかさま放送局だ」と言い放つ必要はない。もっともトランプ氏は、「You are fake news」としか言っておらず、これを「お前」と訳すか「あなた」と訳すかで印象はかなり違うとも言えるのだが。

私が見たところ、トランプ氏対CNNは、トランプ氏側が仕掛けた喧嘩だった感じが強い。そして、ここにトランプ氏の、「トランプ劇場」のプロデューサーとしての側面を見るような気がする。一部のメディア、それもリベラルなメディアをとらえて敢えて敵対して見せることで、保守派の支持者に強い大統領をアピールする狙いが有ったのではないか。

誤解を避ける為に言うが、私はこの次期大統領の言動に極めて憂慮している者の1人である。

しかし、だからこそトランプ氏は冷静にその言動を分析する必要があると思っている。トランプ政権はその内部に利益相反という極めて危険な問題をはらんでの船出となる。それは癒着や腐敗とつながる恐れが高く、政権をコントロール不能にする恐れもある。また、そうした際に批判をかわすために、一部の保守層に支持されそうな少数者の人権を奪うような政策を強行する恐れもある。冷静な検証が必要だ。

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