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側近の辞職でトランプ大統領が犯人捜しを指示~トランプの米国とどう向き合うか? (30)

ワシントン・ポスト紙は記事について、その内容を知り得る9人に確認をとったと明らかにしている。トランプ大統領からすれば、情報機関の9人もの関係者が大統領である自分に敵対したことになる。フリン氏の辞任後の最初の指示が、犯人捜し、つまりワシントン・ポスト紙の取材に応じた人間の割り出しだったというのは、トランプ大統領の心情を物語って余り有る。

トランプ大統領は就任後の最初の業務としてCIAを訪れ、マスコミ批判を繰り広げている。そこに込めた意味は、マスコミは敵だが我々は仲間だというものだった。それが見事に裏切られた形となったわけで、怒りを鎮めろという方が無理かもしれない。

しかしワシントンで取材している米公共放送NPRのベテラン記者は、そういうトランプ大統領の対応に批判的だ。

「犯人探しも良いが、他にやることが有ることをトランプ大統領は知るべきだ。なぜ、それだけ多くの人間が取材に協力するのか。そこには理由が有るはずで、そこに思い至らないと、自分にとって不都合な真実はこれからも出てくる。それはこの国が健全な民主主義国家でることの証なんだ」


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