新国務長官は先の欧州訪問でも目立った成果が伝わっていない。トランプ大統領が安倍総理、カナダのトルドー首相らと会談した際にも同席していない。国務省の存在がほとんど見えない異例の状態だ。
●定例会見も開かれず
そもそも発信がほとんど無い状態だ。国務長官の国務省内での定例会見も一度も開かれていない。長く政府官庁を取材している公共放送NPRの記者は次の様に話す。
「国務長官の会見というのは世界中が注目する内容なのだが、それが一度も開かれていないというのは異様だ」
ワシントン・ポスト紙は、「ロシア、エジプトの首脳との会談内容が、国務省から出てこずに、相手国が地元のメディアに語って明らかになるという状態だ」と、米国と比べて報道の自由が認められていない国の方が情報を出していると皮肉って書いている。
●外交の継続に懸念 対日外交にも影響か
既に外交に支障が出ているという声もあがっている。3月に行われると見られていた北朝鮮との非公式な接触が、最後の最後でキャンセルとなる異例の事態が起きているが、国務省が関与していなかったからとの指摘も出ている。こうしたことから、対日外交を含めた米国の外交政策に懸念を示す声が米国の外交関係者の間で出ている。米国の元外交官は次の様に話す。