与党・共和党の重鎮、マケイン上院議員が「事実を確認する必要があるが、事実であれば問題だ」と憂慮を示すなど、与党の間にも衝撃が走っている。
国務省で長くキャリア外交官を務めた米国人は、今回の件について何も知らないとしつつ次の様に話した。
「憂慮していたことが起きたというのが率直なところだ。問題の情報とは、恐らくモサド(イスラエルの情報機関)からもたらされたものだろう。イスラエル政府は以前からトランプ政権のロシアへの接近に懸念を示しており、仮に情報がロシアに筒抜けになると考えたらもう情報は来ない。米国の安全保障上、モサドの情報は極めて重要で、仮にそうなれば極めて大きな問題となる」
トランプ大統領は5月9日、ロシア政府が去年の大統領選挙に関与した問題を捜査していたFBIのジェームズ・コミー長官を解任しており、捜査妨害にあたるとの指摘を受けている。ハーバード大学ロースクールのローレンス・トライブ教授が、「議会がトランプ大統領を捜査妨害によって弾劾する時期が来た」とワシントンポスト紙に寄稿するなど、専門家から弾劾を求める声が出始めている。
(参考記事:FBI長官解任でトランプ米大統領の姿が辞任した大統領とダブリ始めた)
米政府機関の取材経験の長い公共放送NPRのデスクは次の様に話した。
「正直、ワシントンポストの報道が誤報であって欲しいという気持ちだ。トランプ大統領はFBI長官の任命を急ぐ考えを示しているが、そんなことでは大統領への信用は回復しないだろう。弾劾を求める声は強まるだろう」