第二次大戦下のアメリカで民主主義の再構築を構想した思想家ジョン・デューイは、「民主主義は制度ではなく生き方であり、それは人々の良識や健全さに期待する信仰といってもよい」という警句を残した。
この「信仰」には、自由や平等への明らかな攻撃に沈黙することによっても、そうした攻撃に引きつけられる人々を過度に排除することによっても存立基盤が揺らいでしまうという厄介な構造が胚胎している。しかし、自らの生き方を否定するかのような異論に耳を傾けるのは誰にとってもたやすくないし、対立陣営とのコミュニケーションが機能不全に陥っているとき、対話はさらに困難になる。アメリカの社会は、「これが民主主義の姿だ」と自賛しうる方法を、どのように見つけ出せるだろうか。
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