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次々に内幕が暴露される米トランプ大統領はどうなるのか

これについてマティス長官は、次の様に言ったという。

「大統領、それは違います」

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そして、マケイン議員が早期の解放を拒否して5年間捕虜となりその間、拷問にも耐えていたことを説明。それについてトランプ大統領は、一言、「OK」と言っただけだったという。大統領に苦言を呈するマケイン議員をトランプ大統領が面白く思っていないことは有名な話だが、嘘までついて相手を傷つけようとする大統領を、軍の高官はどう見ただろうか?

ここで、この本の内容で私自身、理解が不足していた点に気付かされたのは、在韓米軍の役割だ。この在韓米軍については、私自身は北朝鮮の陸上兵力に対したものなので朝鮮戦争が終結するとなれば、その存在意義は無くなると理解していた。

しかし、どうやらそう簡単ではないようだと思わせる記述が有る。

マティス長官が切れるきっかけのもう1つがそれで、在韓米軍の撤退を平気で口にするトランプ大統領に対して次の様に説明したという。

在韓米軍は北朝鮮の弾道弾を7秒で解析する能力を持っているが、これをアラスカに展開している米軍に肩代わりさせようと思ったら、弾道弾の発射から15分後にしか解析ができない。

それでもトランプ大統領は理解しなかったという。大統領と別れたマティス長官は側近に、「小学5年、6年の理解力しかない」と絶望的に語ったという。

これは重要だ・・・と私でも思うが、それでもトランプ大統領は理解しなかったというから、これは大変だと誰もが思うだろう。

その結果、マティス長官はどうしたのか?

シリアで化学兵器が使われたとされる問題に激怒したトランプ大統領が、マティス長官に電話で、アサド大統領を殺害しろと命じ、マティス長官は「そうします」と応じる。しかし電話を切ったマティス長官は側近に、「何もしなくて良い」と伝えたという。つまり、言わせるだけ言わせておくということだ。

これもYahoo個人で何度も書いてきたが、安倍総理の周辺や一部の有識者とされる人の中には、トランプ大統領とその政権に対して高く評価する人がいる。何度も書くが、少しは冷静に見た方が良い・・・これは何度でも書いていかねばならない。

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一方で、こうした内容の本が、トランプ大統領の支持率の低下を招くのかという点についてはどうだろうか。これは誰もが最初に思うことだろう。それについては否定的な見解を持つ人が多い。

その理由は簡単だ。トランプ大統領についての最近の支持率は36%、不支持率は60%(ワシントン・ポスト紙&ABCテレビ調査)だ。コアな支持層が30%は存在すると見られており、下がるところまで既に下がっているというのが大方の見立てだ。

また、トランプ大統領の支持者は、先ずもって本を読まないというジョークの様な指摘も有る。特に、トランプ大統領が再三にわたって批判しているワシントン・ポスト紙の記者が書いた本など読まないと言って、言い過ぎでは無いだろう。

一方で、政権の運営についてはどうだろうか?確度の高い情報として大統領の愚かさが公になるのは、これまでの党派性を帯びた政権批判とは少しレベルが異なる。

米国は、この11月6日に中間選挙を迎える。私が注目するのは、全ての議員が改選を迎える下院議員だ。現状では共和党が235議席、民主党が193議席(欠員7)。下院は大統領弾劾の手続きに入る権限を持っている。トランプ大統領批判がヒートアップすれば、民主党の候補は盛り上がるだろう。

また、こういう見方もできる。トランプ大統領の支持者は読まなくても、共和党の候補者はこのウッドワード記者の本を読むだろう。そうなると、仮に共和党が過半数を維持したとしても、結果的に、弾劾手続きに入ることを了承する力になる可能性は有る。

それはウッドワード記者が最初にその名を知られるようになったウォーターゲート事件で実際に起きたことだ。この時、共和党も大統領の弾劾手続きに入る構えを見せざるを得なくなり、結果、ニクソン氏は弾劾手続きが始まる前に大統領の職を辞している。

このウッドワード記者の「Fear」とは「恐怖」という意味だが、なぜこの本のタイトルが「恐怖」なのか?ウッドワード記者は著書のタイトルを、大統領選挙時に取材した際の、当時は候補者だったトランプ大統領が語った言葉からとっている。その時、トランプ大統領は次の様に話したという。

「本当の権力とは、本当は使いたくない言葉だが、恐怖なんだよ」

しかし、その「恐怖」を使っても、既に人の口に戸は立てられなくなっている。

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