トランプ大統領の顧問弁護士が、21日にニューヨークの連邦裁判所で開かれた裁判で、ロシア疑惑にも絡む選挙資金法を含む8つの罪について認めた。ロシア疑惑を「魔女狩り」と批判するトランプ大統領は極めて厳しい状況に立たされたことになる。
マイケル・コーヘン氏はトランプ大統領の顧問弁護士を務め、ロシア疑惑を捜査する特別検察官の捜査の防波堤となっていたが、強制捜査を受けて今年の初めに顧問弁護士を辞任している。
21日から特別番組で伝えているCNNによると、コーヘン氏が認めた8つの罪は、2016年の大統領選挙に関わるもので、選挙資金の不正な扱いも含まれている。この中には、トランプ大統領との性的な関係について表ざたにしないための支払いに選挙資金を流用した罪も含まれているという。
一連のロシア疑惑に絡んではトランプ政権の大統領特別補佐官(国家安全保障担当)だったマイケル・フリン氏などトランプ大統領の側近の多くが既に罪を認めているが、側近中の側近が罪を認めたことでトランプ大統領は更に厳しい立場に立たされたことになる。
トランプ大統領はコーヘン氏が罪を認めたことについてはコメントしていないが、「私はロシア政府と共謀した事実はない。特別検察官の捜査は魔女狩りだ」と批判した。
コーヘン氏の証言がトランプ大統領にとって深刻なのは、一連のロシア疑惑の捜査を進めてきたコミーFBI長官を解任したことで、トランプ大統領には司法妨害の疑いがかけられているからだ。これが立証されれば、議会で大統領の弾劾手続きが始まる可能性が有る。
トランプ大統領はモラー特別検察官の解任を検討していることが既に報じられている。これについてCNNの特別番組に出演した民主党議員は、「民主、共和の党派に関わらず、特別検察官を大統領から守る必要がある」と語った。
米国では11月に中間選挙を迎える。トランプ大統領はツィートで共和党への投票を呼び掛けるなどしており、これは自身が厳しい状況に立たされていることを認識している結果と見てよい。
日本政府もそろそろこの大統領について目を覚まさないといけない。