
SNSで「中国人が日本で出来ること一覧」という趣旨の言説が拡散されている。そのうちの「生活保護を受給できる」と「生活保護を受けながら体外受精などの高額な不妊治療を無料で受けられる」について調べた。この言説は正しいが、中国人のみに認められているものではなく条件を満たせば中国人以外の外国人でも可能だ。
対象言説
「中国人が日本で出来ること一覧」のうちの「生活保護を受給できる」と「生活保護を受けながら体外受精などの高額な不妊治療を無料で受けられる」。
Xの投稿(2026年7月23日現在で59769回表示され、2000回以上リポストされている)。
結論
永住者、定住者、永住者の配偶者等、日本人の配偶者といった、生活保護を受給する条件に当てはまる外国籍の人々は、先端医療を除く不妊治療を負担なく受けることができると言える。これは中国人に限ったものではなく、中国人のみならず、どの外国籍の人でも、条件を満たせば正しい。
ファクトチェックの詳細
まず、中国人が生活保護を受けられるかをファクトチェックした。厚生労働省 社会・援護局が出している「生活保護における外国人の取扱いについて」を参照すると、一定の外国人への行政措置について、以下のように記載がある。
適法に日本に滞在し、活動に制限を受けない永住、定住等の在留資格を有する外国人 については、人道上の観点から、行政措置(※)として、生活保護法の取扱いに準じた保護を行っている。

つまり、外国人の生活保護受給については以下の対象者について認められているということだ。
①永住者、定住者、永住者の配偶者等、日本人の配偶者等
②在日韓国人、在日朝鮮人、在日台湾人。
③入管法上の認定難民等が生活保護法に準じた取扱いの対象となる。
これより、永住者、定住者、永住者の配偶者等、日本人の配偶者といった条件に当てはまる中国人においては、日本人と同様に、生活保護を受けることができると言える。これは法律で決められているわけではなく、あくまでも「人道的な観点」から行政措置として便宜的に行われている特別措置となっているが、中国人の場合であれば①の要件を満たしていれば生活保護を受給することは可能だ。当然、これは中国人のみに認められた措置ではない。
次に、「生活保護を受けながら体外受精などの高額な不妊治療を無料で受けられる」をファクトチェックする。
生活保護の医療扶助について、厚生労働省の「生活保護の医療扶助について」に以下のような記載がある。
「生活保護受給者は、国民健康保険の被保険者から除外されているため、ほとんどの生活保護受給者の医療費はその全額を医療扶助で負担。」つまり、生活保護受給者は自己負担なく医療を受けることができると言える。
その上で、この中に不妊治療が含まれているかを確認した。
こども家庭庁の「不妊治療に関する取組」に、体外受精などの高額な不妊治療について以下のような記載がある。
「令和4年4月から、人工授精等の「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」について、保険適用されることとなりました。「『生殖補助医療』については、採卵から胚移植に至るまでの一連の基本的な診療は全て保険適用され、患者の状態等に応じ追加的に実施される可能性のある治療等のうち、先進医療に位置付けられたものについては、保険診療と併用可能となります。」
以上より、不妊治療において、体外受精などの基本治療は全て保険が適用されることがわかる。ただし、先端医療とされるものは対象外となる。また、生活保護受給者は対象は、単に在留資格の条件を満たす者ではなく実際に生活保護を受給している者であること点には留意する必要がある。
つまり、永住者、定住者、永住者の配偶者等、日本人の配偶者といった、生活保護を受給する条件に当てはまる外国籍の人々は、先端医療を除く不妊治療を負担なく受けることができる。ただし、これは中国人に限っているわけではなく、中国人以外の外国人も同様に対象となる。
(濵田乃)

