平和・安全保障ウクライナの日本人牧師【新田義貴のウクライナ取材メモ⑧ 】戦乱のウクライナで避難者らを支援する日本人牧師に出会った新田義貴。牧師は危険をいとわずに支援物資を現地の人々に配る取り組みを続けていた。牧師の取り組みと思いを取材した。(取材/写真:新田義貴) 6月28日、カホフカダム破壊による洪水被害の取材を続けていた僕は、被災者救援の拠点となっているキリスト教会を訪れた。ヘルソン郊...
平和・安全保障ゼレンスキーは英雄なのか?【新田義貴のウクライナ取材メモ⑦】「僕はゼレンスキーが嫌いだ」。ジャーナリストのセルヘイはそう言った。ゼレンスキーを英雄視することが当然視されるメディアの状況は日本でもウクライナでも同じだ。彼は英雄なのか?セルヘイの言葉は新田義貴に突き刺さった。(文/写真:新田義貴) 6月26日、ニコポリでの原発関連取材を終えての帰途、クリヴィー・リフという町で遅い食...
平和・安全保障「原発占領地」で不安は戦慄に変わった【新田義貴のウクライナ取材メモ⑥】戦場と化すザポリージャ原発。歴史の教訓から学び続けてきたはずの人類は、再び愚行を繰り返すかもしれない。その新田の不安は原発を前にして戦慄に変わった。(文/写真:新田義貴) 6月下旬、ウクライナ南部で洪水被害を取材していた僕にはもうひとつ気がかりなことがあった。ロシア軍侵攻直後の去年3月から占領下にあるザポリージャ原子力...
平和・安全保障【新田義貴のウクライナ取材メモ2023①】キーウ再び2022年にロシア軍が侵攻したウクライナに入って取材をした新田義貴が再びウクライナに入った。前回、戦場で翻弄される人々に焦点をあてた新田の報告。今回もその視点は同じだ。しかし、今回は取材報告ではなく、取材メモだ。ざらついた戦争の現実を、現地の人々の姿を伝える。(取材/写真:新田義貴) 去年3月初旬から40日間ウクライナ...
国際【新田義貴のウクライナ取材報告⑩】キーウ攻防戦の爪痕ロシア軍の侵攻直ぐにウクライナ入りした新田義貴。一度ポーランドに出るも、キーウ全州をウクライナ軍が奪還したと聞いて再びウクライナに入った。そこで見たものは掘り起こされた多くの遺体だった。(取材/写真:新田義貴) 4月2日、ウクライナでの約3週間におよぶ取材をひとまず終えた僕らは隣国ポーランドの首都ワルシャワまで戻り帰国...
InFact【新田義貴のウクライナ取材報告⑨】戦争は「マイダン革命」から始まっていたロシア軍のウクライナ侵攻はいつ始まったのか。戦車がなだれ込んだ2022年2月24日なのか?それともクリミア併合に着手した2014年なのか。違う。それ以前から始まっていたとイヴァンは語った。(取材/写真:新田義貴) この取材で通訳をしてくれるイヴァン。彼の口癖がある。 「この戦争は2月24日に突然始まったんじゃない。20...
国際【新田義貴のウクライナ取材報告⑧】~聖ウラディミール大聖堂での礼拝~3月中旬、キーウをめぐる攻防は膠着状態が続いていた。首都陥落を目指し進撃を続けてきたロシア軍の動きはイルピニ川の向うで止まっているように見えた。首都に入った新田義貴の現地リポートは続く。(取材/写真:新田義貴) 戦力で圧倒的に勝るロシア軍が瞬く間にキーウを落とすだろうとしていた大方の軍事専門家の予想に反し、ウクライナ軍...
国際【新田義貴のウクライナ取材報告⑦】空爆下の首都で生きる人々3月中旬、キーウの町は連日のようにロシア軍によるミサイル攻撃にさらされていた・・・新田義貴が伝えるウクライナの首都の状況(取材・写真/新田義貴) 15日朝、僕らは前夜に攻撃を受けたという民間のアパートを訪ねた。路上にはミサイルが着弾した跡と見られる大きな穴が開き、爆風でアパートの多くの家の窓ガラスが割れている。この爆風...
国際【新田義貴のウクライナ取材報告⑥】キーウで会ったイルピンから逃れてきた家族ロシア軍が包囲していたキーウに入った新田義貴。現地の人々の生活に溶け込みつつ紛争下の人びとを取材する。(取材/写真:新田義貴) 3月10日からキーウでの取材を開始。僕らはキーウの西の外れにある通訳イヴァンのアパートメントに寝泊まりすることにした。 旧ソ連時代に建てられたという年季の入った建物にエレベーターはなく、住居の...
国際【新田義貴のウクライナ取材報告⑤】「要塞都市キエフ」で大学生の女性が語った言葉ウクライナ入りしたジャーナリストの新田義貴がキエフに入った。そこで新田が見た首都の姿、出会った人々とは。(取材/写真:新田義貴) 3月10日午前8時、僕らはようやく首都キエフへ入った。 町の入り口では厳しい検問が行われていて長蛇の列ができていたが20分ほど待った後、無事に通り抜けることができた。車窓には高層ビルが山脈の...