阪口徳雄弁護士 |
Q 政治資金オンブズマンを立ち上げた理由はなんですか?
A もともと株主オンブズマンという組織を立ち上げて企業の不正な献金などを監視していた。ところが、これは出す方も悪いが、受け取る方も悪いだろうという話になった。そのために弁護士、公認会計士、学者、そして一般の市民が力を合わせて政治家の政治資金を監視しようということになった。
※政治資金オンブズマンは2002年に大阪に結成された。以来、多くの政治家の政治資金の問題を追及してきた。最近では猪瀬直樹前東京都知事を政治資金規正法違反と公職選挙法違反で刑事告訴している。結成宣言には以下のように書かれている。
「今後の活動としては、第1に「政治とカネ」について、専門家と一般市民が知恵を寄せ合って、国内外の情報を集め、研究と調査を進め、必要な提言を行います。第2に政治資金規正法等を活用して、政党、政党支部、国会議員を中心とする政治家の政治資金管理団体の収支報告書をチェックします。第3に政治家のカネを規制する法制度を強化するために、法改正や新しい立法化のキャンペーンを進めます。第4に重大な法違反や著しく不合理な行為があった場合には、捜査機関への告発や株主代表訴訟の提起などによって、非違行為の是正を求め、責任追及を行います」
Q 政治資金収支報告書から何がわかりますか?
A 正直言って報告書からわかるものは少ない。残念ながら、政治資金の本当の部分は報告書に出てこないケースが多いというのが実態だろう。ただし、表の金を見るだけで、「臭いもの」を感じることはできる。本来は受け取ってはいけない人から受け取っていることがわかることもある。また、記載の仕方から、「これは何かおかしなことをやっているのではないか?」と思えるものもある。
関係者会議 |
Q 橋下徹大阪市長の政治資金収支報告書について問題点を指摘しましたが?
A これは松井大阪府知事の政治資金を調べていて、関連で橋下市長についても調べたところ、そのほとんどがパーティ券の斡旋という極めて珍しい記載をしていることがわかったものだ。長年、政治資金収支報告書を見てきたが、こうした記載の仕方をしているケースは、私個人は知らない。それを更に調べると、不可解な秘書の採用につながったというもので、橋下市長は「問題無い」と一言で片付けようとしているが、とんでもない話だ。政治資金オンブズマンとしては、今後も追及していくつもりだ。
Q iAsiaを物心からの支援に感謝いたします。
A橋下市長に対する大手メディアの対応を見ていると、時の権力とはどうしても良好な関係を結ぼうという意識が働いているようにしか見えない。一連の問題で政治資金オンブズマンが記者会見をしても新聞、テレビはほとんど取り上げなかった。優秀な記者がいることも知っているが、組織判断が働くと記者も原稿を書けないのだろう。iAsiaを支援するのは、そうした日本のジャーナリズムに風穴を開けて欲しいからだ。私個人は「Asia」ではなく、「Japan」でも良いのではないかと思っている。というのは、それだけこの国には問題があるからだ。iAsiaには政治と金を中心に様々な問題に切り込んで欲しいし、我々もそれを支援していく。
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