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「留学生」という名の奴隷労働者たち4 苦境のベトナム人留学生は犯罪に走る 第2の「福岡一家4人殺害事件」が起きる日 出井康博

ブローカーや悪徳日本語学校に食い物にされるベトナム人留学生。苦境に陥った彼らの犯罪が増加している。このままでは、かつて中国人留学生によって引き起こされた「福岡一家4人殺害事件」のような凶悪犯罪が起こるかもしれない。(アイ・アジア編集部)

ベトナム人留学生4人が暮らす東京都内の日本語学校の寮。広さ4畳半のアパート二段ベッドが並ぶ。寮費は1人月3万円というボッタクリだ。撮影 出井康博
ベトナム人留学生4人が暮らす東京都内の日本語学校の寮。広さ4畳半のアパート二段ベッドが並ぶ。寮費は1人月3万円というボッタクリだ。撮影 出井康博

◆追い詰められたベトナム人留学生の犯罪急増

最近、新聞やテレビでベトナム人による犯罪がニュースで取り上げられることがよくある。

今年2月には、埼玉県でベトナム人グループが同じベトナム人を相手に強盗・殺人事件を起こし、長野県まで逃走して騒ぎとなった。昨年9月には、大阪市生野区の路上でやはりベトナム人同士の集団暴行・殺人事件があった。少し遡ると、2014年にはベトナム人による「ユニクロ」窃盗事件が頻発した。これらの事件には共通点がある。いずれも「留学生」が加害者に含まれるのだ。

ベトナム人留学生の数はわずか5年間で約10倍も増え、今では5万人近くまで膨れ上がっている。これまでの連載で述べたように、その大半は出稼ぎ目的の“偽装留学生”である。そうした留学生の増加と比例し、彼らが起こす犯罪も増えている。

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