ブローカーや悪徳日本語学校に食い物にされるベトナム人留学生。苦境に陥った彼らの犯罪が増加している。このままでは、かつて中国人留学生によって引き起こされた「福岡一家4人殺害事件」のような凶悪犯罪が起こるかもしれない。(アイ・アジア編集部)
◆追い詰められたベトナム人留学生の犯罪急増
最近、新聞やテレビでベトナム人による犯罪がニュースで取り上げられることがよくある。
今年2月には、埼玉県でベトナム人グループが同じベトナム人を相手に強盗・殺人事件を起こし、長野県まで逃走して騒ぎとなった。昨年9月には、大阪市生野区の路上でやはりベトナム人同士の集団暴行・殺人事件があった。少し遡ると、2014年にはベトナム人による「ユニクロ」窃盗事件が頻発した。これらの事件には共通点がある。いずれも「留学生」が加害者に含まれるのだ。
ベトナム人留学生の数はわずか5年間で約10倍も増え、今では5万人近くまで膨れ上がっている。これまでの連載で述べたように、その大半は出稼ぎ目的の“偽装留学生”である。そうした留学生の増加と比例し、彼らが起こす犯罪も増えている。