米国のトランプ大統領が8日(米国東部時間)ホワイトハウスで記者会見を開いて、鉄鋼などへの関税を発表。日本については対象外にする可能性を示唆した。
会見でトランプ大統領は、鉄鋼については25%、アルミニウムについては10%の関税を課すと発表。トランプ大統領は、「鉄が無ければ国家は無い。我々は軍艦を自分の鉄で作らねばならない」と話した。そして、「長年にわたって米国は不当に扱われてきたが、それはこれで止まる」と宣言。
一方で、NAFTAの協議を続けているカナダとメキシコについては協議の状況を見て対象とするか決めると語った。また、「重要な同盟国とも交渉する。そして、誰が我々をフェアーに扱っているのかを見る」と語った。
これについて公共放送NPRで経済番組を担当するプロデューサーは、「明らかに日本、韓国を対象とした言及だろう。北朝鮮問題を「人質」にとられている日本や韓国には選択肢はない、と少なくともトランプ政権は思っている」と話した。
会見には、ペンス副大統領、経済閣僚とともに鉄鋼の労働者が並んだ。労働者は作業着を着て並び、トランプ大統領に促されてマイクの前に立ち大統領の決定を賞賛した。
この関税をめぐっては米国の経済学者から、「米国の産業界は、競争の無い割高な米国産の鉄鋼やアルミニウムを使わねばならなくなる」と逆に米経済への負の影響を懸念する声が出ている。
また共和党の実力者ポール・ライアン下院議長も反対を表明している。また、トランプ政権で経済政策を担ってきたゲーリー・コーン氏が国家経済会議議長を辞任したが、米メディアは、コーン氏がこの関税に反対していたと報じている。