(2)「実現にこぎつけた」という表現について
一括交付金の創設を「政府与党(当時民主党)に玉城が直談判して実現にこぎつけた」との主張のうち、「直談判」という部分は「直接かけあう」という意味だから、そうした事実があるかは客観的に検証できる。
他方、「実現にこぎつけた」という部分は、自らの成果をアピールする政治的主張と読める。「実現」の意味は、閣議決定で創設方針を決定した時点までを指すのか、修正協議後の法案成立までを指すのかは、解釈で分かれる。「実現」に至るまでにも、様々な部署や人物が絡み合っている。玉城氏もそのうちの一人には違いないが、「直談判」が「実現」にどれだけ寄与したのかは、評価の分かれる問題であろう。
国会での質問や政府への直接要請、水面下の交渉といった「玉城氏の直談判」が一括交付金制度の「実現」に一定の寄与をしたことは推認できるが、「実現」にどれだけ寄与したのかを客観的に検証することは不可能と言える。