加藤勝信官房長官 定例記者会見(10月2日午後)
(記者)
共同通信のカサイです。学術会議の件でお尋ねします。
過去の答弁、例えば1983年11月の参院文教委員会で、政府から「総理による会員の任命はあくまでも形式的であって、推薦された者をそのまま会員として任命する」との答弁がございます。また、同年5月には、当時の中曽根総理も「政府が行うのは形式的任命にすぎません」と述べております。
これらの国会答弁は現在も生きているのでしょうか。
それとも解釈は変更されたのでしょうか。
改めてご見解をお願いいたします。
(長官)
先日の会見でも申し上げたように、その当時そうしたやりとりがあったということは私どもも十分承知をしております。
で、その後においてでありますけれども、専門的領域での業績のみにとらわれない広い視野に立って、総合的俯瞰的観点からの活動を進めていただく必要があるということから、また改めて、もう一回、そのー、推薦の仕方を変えた、そういう、そうした経緯の中でですね、私どもとしてそれらを踏まえて、今回まずは日本学術会議から出していただいた推薦名簿、これをベースに私どもとして任命を行った、こういう経緯でありますから、基本的に、当時そういう国会答弁あったということは私どもも十分認識をしているところであります。
(記者)
朝日新聞のキクチです。話題戻ります。学術会議についておうかがいします。
自民党の世耕参院幹事長は、今回の問題をめぐってですね、個別の人事については言えないとする官房長官の立場は理解できると。
一方で、政府と学術会議側の対話を取ることも重要だと述べられました。
現状、説明責任が十分に果たされていると、長官お感じでしょうか。
対話という中で、山極前会長から今回菅総理宛てに文書が、文書来ていますけれども、こちらを今日中に回答するですとか、今後の回答スケジュールについて午前中にも質問ありましたけどコメントをお願いします。
(長官)
まず、山極前会長からについては午前中と一緒で、現在、事務局においてですね、その対応を検討しているということであります。
それから、説明責任という話については、これは我々がですね、これで説明し切ってますという立場ではなくて、説明を受ける立場からですね、必要があれば、またそれに応じて対応していくべきものだというふうに、これは一般論としても思っていますし、本件においても同様だと思います。
(記者)
重ねておうかがいします。朝日新聞キクチです。
総理への文書の回答ですけれども、事務方、事務局で検討されているということですが、これは総理宛ての文書です。
事務方、皆さんだけで回答するかどうかを検討することはできないと思うんですけれども、菅総理はこの文書に目を通されているのか、もしくは回答するようですね、菅総理は指示されているのかどうか、分かる範囲でお願いします。
(長官)
まず、ですから、まずこうした文書について事務局においてしっかり検討した上でですね、まず、私なりがそれを相談を受けて判断をしていく、そういうことになると思いますが、まずその最初の段階である事務局において、現在検討が行われているということであります。
(記者)
朝日新聞キクチです。重ねてうかがいます。
新しく選出された梶田新会長は今回任命されなかった6人を改めて任命するよう求める要望書を提出、要望書を出すよう長官に提案している状況です。
法的に一度任命を見送った候補者を改めて任命することが可能なのかどうか。
また、午前中の会見でも伺いましたけれども今回の人事を見直す考えはないのかどうかを改めてお願いします。
(長官)
まずは一連の流れの中で、もう同じことは申し上げませんけれども、考え方に立って私たちは判断をさせていた、日本政府として、政府として判断をさせていただいた、この判断を変えるということはないということで、ないということであります。
その上で、新たにいま検討されているということでありますから、これはまだ出てきてないわけですね、これに対して私どもがああだこうだと言うのは、これは差し控えなきゃいけないというふうに思います。
(記者)
東京新聞のムラカミです。関連でおうかがいいたします。
先ほどの世耕参院幹事長の発言の中でですね、政府としては学術会議サイドと丁寧にコミュニケーションや対話を取ることが何よりも重要だというふうに述べられていました。
菅総理は梶田会長やこの学術会議側と直接面会するなどして対話を図るお考えというのはあるんでしょうか。
(長官)
あのまず、そうした指摘もですね、いまの世耕幹事長はじめ頂戴しているところでありますので、先ほども申し上げましたように、我々としてしっかり説明をしていくということは大事だということは認識をしております。
その上で総理の具体的な日程について、いまここで申し上げるという状況にはないということであります。
(記者)
東京新聞のムラカミです。重ねておうかがいいたします。
午前に開かれた野党のヒアリングでですね、内閣法制局は2018年に内閣府から日本学術会議法の第7条2項と17条について、法律解釈について問い合わせを受け、解釈を明確化したこと、さらに今年の9月2日にも内閣府から口頭で再確認があったことを明らかにしました。
このときの法律解釈というのはどのような内容だったのでしょうか。
また、そのときの法令解釈文書にはどのように書かれていて、その文書というのは残っているんでしょうか。
(長官)
まず、いまの2018年にですね、内閣府から日本学術会議の関連について法制局に問い合わせをしたということについては私も承知をしているところでございます。
それを踏まえて、ここでもお話をさせていただいた、それも踏まえながらここでお話をさせていただいております。
その後の口頭云々というところは、あくまでも口頭で再確認があったということしか私は聞いておりません。
あのー、したがって、その文書そのものについては、当然これはほかも含めて公文書の管理規程にのっとって残すべきものはしっかり残していくということで対応していかなければなりませんし、対応しているものというふうに思います。
中身については、まさにお話があった点についての推薦と任命に関する一般的な整理についての法制局の考え方、それが整理されているものというふうに承知をしております。
もし詳細が必要であれば事務局からお聞きをいただければと思います。
(記者)
東京新聞のムラカミです。
あの、必要があれば事務局にお伺いいたしますが、その一般的な整理の内容というのをちょっとご紹介していただくことというのはいまここでは難しいですか。
(長官)
今そのものを持ってませんので、私がうろ覚えでしゃべるよりはきちんとしたものにのっとって、ご説明させていただいたほうが正確だろうというふうに思います。