
「世界人口1.6%の日本人」が「世界の薬の40%を消費」との情報がXで拡散した。しかしこれは誤りだ。
対象言説
見出しと記事から「日本人が世界の薬の40%を消費している」との指摘と理解する。

結論 【誤り】
日本の医薬品の使用は世界の4.3%である。 したがって、「日本人世界の医薬品の40%を消費している」は誤りである。
問題のツイートは3エンマ大王となる。

エンマ大王のレーティングは以下の通り。
- 4エンマ大王 「虚偽」
- 3エンマ大王 「誤り」
- 2エンマ大王 「ミスリード」「不正確」「根拠不明」
- 1エンマ大王 「ほぼ正確」
InFactはファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)のメディアパートナーに加盟しています。この記事は、InFactのファクトチェック基本方針、およびFIJのレーティング基準に基づいて作成しました。
ファクトチェックの詳細
Xに添付された写真を拡大すると、右下にTikTokのアカウント名が書かれている。そこで、TikTokを確認したところ、2024年6月26日に@sarara24qというアカウントが、「ビッグファーマの闇」のコメントとともにこの記事を投稿していた。記事がどのような新聞のものかは特定できなかったが、新聞記事の見出しである「世界人口1.6%の日本人 世界の薬の40%を消費」と記事の冒頭から、「日本人世界の医薬品の40%を消費している」との指摘であることがわかる。この内容をファクトチェックする。
はじめに、国連人口基金のホームページを確認したところ、以下が分かった。
・2024年の世界人口は81億1900万人
・2024年の日本人口は1億2260万人
よって、日本人口は世界の1.5%である。
これは対象言説の1.6%と一致はしないが、誤差の範疇であり、正確と言って良いだろう。
次に、IQVIAのホームページで2024年の医薬品使用予測を確認したところ、以下が分かった。
・2024年の世界の医薬品使用 3,465
・2024年の日本の医薬品使用 149
つまり、日本の医薬品の使用は世界の4.3%であることから、対象言説である日本人が世界の医薬品の40%を消費しているは誤りである。

そもそも、この対象言説に添付されている記事の出所が不明であり、子宮頸がんワクチンについて書かれているにも関わらず、結核予防ワクチンであるBCGの写真が添付されているなど、信ぴょう性に欠けると言わざるを得ない。
以上のことから対象言説を次に対する判断は以下となる。日本の医薬品の使用は世界の4.3%であり、日本人が世界の医薬品の40%を消費しているは誤りである。
(馬場 玲妃)