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【FactCheck】岸田首相「消費税を更に19%に増税する」は虚偽情報

【FactCheck】岸田首相「消費税を更に19%に増税する」は虚偽情報

参議院選挙で自民党が大勝したら、岸田文雄首相が「消費税を更に19%に増税する」と発言していると、ネット上で拡散されたが、岸田首相はそうした発言はしていない。(三井滉大)

チェック対象

岸田文雄首相「殆ど社会保障関係に使われていない消費税を更に19%に増税する」
Twitter、2022年4月20日投稿)

結論 虚偽

【虚偽】 岸田首相はそうした発言をしていない。

岸田首相が「消費税を更に19%に増税する」と発言したかどうかのみを検証している。発信の中には「殆ど社会保障関係に使われていない消費税」とあるが、これは今回のチェック対象とはしていない。

はじめに、岸田首相が消費税増税について、どのように発言しているのか調べた。岸田首相は2021年10月12日の衆議院本会議で、日本共産党志位和夫委員長の「消費税は5%に減税することを強く求めます」という発言に、次のように答えている。

「消費税については社会保障の財源として位置付けられており、当面消費税について触れることは考えておりません」

また、4月22日の参議院本会議にて、日本共産党の倉林明子議員の質問に対して、このように答えている。「消費税を直ちに5%に引き下げ、年金額を注視するなど、野党の提案を取り入れ、暮らしを支援する補正予算を速やかに組むことです」との問いに次のように答えている。

「消費税率の引き下げなどは行うことを考えておりません」

つまり、消費税率の引き下げはしないとしているが、引き上げをするとも答弁していない。

更に、岸田首相の記者会見の内容をすべて確認した。記者会見の内容は、首相官邸のウェブサイトで確認できる。2021年10月4日から2022年5月4日までを対象とした。

会見の中で、賃上げ税制や、トリガー条項、ふるさと納税に言及しているところは確認できたが、消費税については発言していない。当然、消費税の増税についての発言は無い。仮に、岸田首相がどこか別の場所で発言していたとしても、それは記者会見の場で記者から問われている筈だ。

この発信については、毎日新聞BuzzFeedもファクトチェックしている。なお、投稿の発信者は4月26日、Twitter上で、当該発言について「別に岸田首相が19%に増やすとメディアに言ってるのではないが、2015年の経団連の提言が2025年までに消費税を19%に増やせ!なので自民党は参院選後(今のままではおそらく間違いなく勝つので)提言の19%を目指スノは間違いないしそしてそれを止める選挙は参院選後は3年間無いのです。それがとても怖い」と発信している。

4エンマ大王

InFactはレーティングをエンマ大王で示している。問題のツイートは「虚偽」であり、これは4エンマ大王となる。

エンマ大王のレーティングは以下の通り。

  • 4エンマ大王 「虚偽」
  • 3エンマ大王 「誤り」
  • 2エンマ大王 「ミスリード」「不正確」「根拠不明」
  • 1エンマ大王 「ほぼ正確」

InFactはファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)のメディアパートナーに加盟しています。この記事は、InFactのファクトチェック基本方針、およびFIJのレーティング基準に基づいて作成しました。

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