
参議院選挙ではコメの高騰と、それを抑制したとされる政府への評価が争点の一つとなっている。こうした中、政府の備蓄米用のパッケージ(袋)があまりにも手際よく作られていると疑問を呈する声がX上で拡散されている。備蓄米放出は出来レースだったとも受け取れる指摘であり、ファクトチェックした。
対象言説

すごく不思議なんですけど、「和の輝き」とか書いてある、この備蓄米の袋って、1日や2日でデザインから大量の印刷まで出来るものなんですか?/本当は、いつ決まっていたのでしょうか?
(2025年6月2日のXの投稿)2025年6月26日現在、3万件を超える「いいね」が付き、7000件以上リポストされている。
結論
「和の輝き」は過去にアイリスオーヤマのブレンド米のブランドとして用いられていた。今回は、その袋をそのまま再利用し、「政府備蓄米」のシールを貼って販売しているもので、備蓄米用に新たな袋を作製したものではない。
ファクトチェックの詳細
上記のポストを参考に調べたところ、過去にアイリスオーヤマから国産ブランド米として「和の輝き」という商品が販売されていることがわかった。このため、アイリスオーヤマに問い合わせた。問い合わせは公式ウェブサイトに設けられた「ご相談窓口 お客様サポート」からメールで行った。これに対して、6月18日に株式会社アイリスプラザの担当者から回答を得た。以下が質問とそれに対する回答だ。
Qアイリスオーヤマの販売サイトで販売されていた国産ブランド米「和の輝き」という商品の販売期間はいつか?
A「ブランド米として通年販売をしております。」
Q現在、アイリスオーヤマから販売されている「【令和4年度】政府備蓄米 和の輝き」のデザインは、アイリスオーヤマの「国産 和の輝き」のデザインを利用したものなのか?
A「『国産 和の輝き』のパッケージをそのまま利用し、政府備蓄米と分かるよう、シールを貼って販売しております。」
つまり、「和の輝き」は通年ブランド米として発売されている商品であり、パッケージ(袋)をそのまま利用し、「政府備蓄米」のシールを貼って販売していることが確認できた。つまり備蓄米の販売が決まってから、それに間に合わせるために袋を新たに準備したものではないということだ。会社を代表しての説明であり、この説明を疑う余地は無いと考えられる。
(笠川大地、椹木純奈、北谷龍聖)
(編集長追記)
InFactのファクトチェックは対象言説やその発信者を否定したり批判したりするものではありません。あくまで拡散している情報の事実を確認して公表することを目的としています。