「みんなの党」の渡辺喜美前代表が、化粧品会社会長から計8億円を借りていた問題で、東京地検特捜部に刑事告発された。容疑は政治資金規正法違反。あるいは公職選挙法に違反した疑いもあるという。東京地検は告発状を受理するか検討する。公党の党首に流れた巨額資金、その不透明なやり取りの全容は明らかになるだろうか。(アイアジア編集部)
◇政治資金規正法違反 「自身と夫人の口座を”裏口座”として悪用」
刑事告発されたのは、「みんなの党」の代表だった渡辺喜美衆議院議員(栃木3区)。
2日午前、全国の憲法法者ら16人が東京地検特捜部に告発状を郵送した。
この問題は、渡辺前代表が化粧品会社DHCの吉田嘉明会長から、2010年に3億円、2012年に5億円の2回にわたり、計8億円を借り入れていたもの。
告発状によると、2012年の5億円のうち2億5000万円について、「みんなの党」の政治資金、渡辺前代表の資金管理団体「温故知新の会」の政治資金、または渡辺前代表の衆議院総選挙の選挙運動資金のいずれかであったにもかかわらず、いずれの収支報告書にも「収入」として記載がなされておらず、政治資金規正法または公職選挙法に違反している疑いがある。その他告発状では、8億円のうち計9000万円が「みんなの党」か「温故知新の会」の政治活動資金として使われたにもかかわらず、いずれの政治資金収支報告書にも「支出」として記載されておらず、政治資金規正法に違反している疑いがあるとしている。
司法関係者によると、東京地検特捜部は告発を受理する方向で検討を進めている。このため、8億円がどのような経緯で渡辺前代表に渡り、どのように使われたのか捜査が進められるものと見られる。