野々村竜太郎元県議の2013年度政治調査費収支報告書表紙
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虚偽公文書作成の容疑で強制捜査を受けた野々村竜太郎元兵庫県議会議員。アイ・アジアは情報公開制度を利用して問題の政務調査費収支報告書の全てを入手して、過去3年分で877枚に及ぶ支出について分析。第一弾として、最も新しい2013年度の支出について報告する。(アイ・アジア編集部/鈴木祐太)
●長距離の出張は、多い月で21件
不自然に多い出張回数が問題となった電車代は300件(全て往復)となっていた。このうち高額な長距離の運賃は、最も多かった月が6月と7月で、それぞれ21件(全て往復)にのぼっていた。
高額運賃の行き先としては、報道され話題となった城崎温泉の他、東京、福岡なども含まれていた。全てグリーン車の料金だと見られる。
小額な運賃の支払いも記載されており、このうち強制捜査の容疑事実となったのは、11月26日に記載している360円。式典への出席として県立高校までの往復電車賃を購入したことになっている。しかし野々村元議員は自身のブログで、この日は「兵庫県議会農政環境常任委員会管内調査として、浄谷新池におけるフロート式太陽光発電を視察」と報告していた。
●136回にのぼった切手の購入
電車代と同様に、その不自然な支出が問題視されている切手代については、136回にのぼっていた。年度終わりが近づいた2月、3月に20回と最も多くの支払いが行われていた。年度末になって多額の切手が購入されていたことになる。
また3万円近くにのぼる大きな金額の切手の購入についてはチケットショップの領収書が添付され、小額な切手の購入については郵便局のレシートが添付されていた。小額なものでは、郵便局のレシートには、10円切手を数枚購入したというものもあった。
●電話代、光熱費も政務調査費から
この他にも野々村元議員の政務調査費での支出は多岐にわたっており、携帯電話などの通信費、ガス・水道代などの光熱費として支出していた。この他、スーパーマーケットでのクレジットでの支払いなどもかなりの件数が確認されたが、何を購入したものなのか記載は無かった。
この年度で目立つクレジットカードでの支払いだ。添付された明細書には、県議会事務局がプライバシー保護の観点から黒く塗りつぶしていた部分がある。しかし、野々村元議員の事務所の住所については塗りつぶされていなかった。議員事務所の住所を明示することにプライバシー上の問題は発生しないと考えるが、この住所が野々村元議員の自宅であることと、本人が既に議員を辞めていることから、アイ・アジアでプライバシーに配慮して黒塗りとした。