来春の再稼働がほぼ確実となっている九州電力の川内原子力発電所(以下、川内原発)。原子力規制委員会は世界で最も厳しい規制基準をクリアしたとしているが、その内実はどうなのだろうか。再稼働に向けて動く川内原発の今を、アイ・アジアは見た。
(鈴木祐太)
JR熊本駅からレンタカーを借りて鹿児島県薩摩川内市に入った。右手に東シナ海を見ながら緑の生い茂った山林の間の一本道を突き進むと白い鉄製の門が現れた。見たところ、公立中学校の門といった感じだ。警備員がいるわけではない。門に「九州電力川内原子力発電所」と書かれていなければ、これが川内原発だとはわからないだろう。
その門を左手に見ながら建物を迂回するように車でまわると川内原発の正門に出た。白を基調にして、青と緑の曲がったラインが引かれている2本の円柱状の塔が見える。一瞬、何か分からなかったが、後で格納容器がある原子炉建屋の一部だという説明を受けた。その下に再稼働を待つ原子炉があるということか。正門の前に立って眺めていると、工事車両の出入りが数分おきにある。