グーグルの講義の写真です。 |
世界21の国から900人のジャーナリストが参加してノルウェーのリレハンメルで開かれた国際調査報道会議。10月8日から12日までの5日間で調査報道に関する160のセッションが開かれた。(アイ・アジア編集部)
1セッションの多くが極めて実務的な内容だ。特に充実しているのがエクセルを使っての情報整理の手法や、デジタル画像を使ってわかりやすい報道を行う手法など、コンピューターを取材にどう取り入れるかという学習で、半数以上を占めている。
その1つ、プロが教えるグーグルの検索のセッションをのぞいた。「Search Tips and strategies for investigative journalists」と題し、グーグルで技術開発を担っているダニエル・ラッセル(Daniel M. Russell /Search Quality & User Experience Research of Google)が直接、検索の手法を教えていた。
受講する各国のジャーナリスト、マスコミ研究者。 |
どこの風景かわからない画像を、グーグルの持つ「イメージサーチ」や「イメージマッチング」といった機能を使って、入手した画像の場所を特定する。この手法を駆使すれば、産業廃棄物の不法投棄の現場や人が誘拐された現場の特定が出来る。どのようにすれば、画像を絞り込めるのか。専門家だけが知っている様々な手法が紹介された。
誰もが知っているグーグルの翻訳ツールの使い方にもコツがあるという。日本語の翻訳はまだうまくいっているとは言い難いが、「ローマ字圏の翻訳はかなりのレベルに達しつつある」という。仮に、英語に翻訳することを考えると、例えば、ロシアのマフィアについて調べる際には、当然、ロシア語の文献の方が英語の文献よりも情報は多い。だから、ロシア語の文献をグーグルで検索して、それを翻訳ツールにかければ少なくとも英語の一般情報よりは詳しい情報を入手することができる。
ラッセルは、「もちろん、グーグルを使わないという選択はあるでしょうが、今のジャーナリストがそういう選択をするとは思えません。グーグルは機能を日々、向上させており、それはジャーナリズムの質の向上につながるものと考えています」と話した。
会議は2年に1度開かれ、ほとんどがヨーロッパでの開催となっている。カプランは、可能ならアジアでも開きたいと話している。
「この会議を開くのに50万ドルほどかかっており、それを多くの寄付と、参加者の払う参加費とで賄っている。アジアでは小規模な会合を去年、マニラで開いたが、できれば、日本でも開きたい」
50万ドルの多くはアメリカの財団からの寄付だが、実はノルウェー外務省からの助成金も入っているという。カプランに、「政府からの寄付を受け取るのか?」と尋ねると、笑って答えた。
「それは、どこの国かによるよ」。
(了)
食事は交流の重要な場と位置付けられている。 |
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