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トランプの米国とどう向き合うか? (3)~米トランプ新政権を揺るがすロシアとの関係

それについて問われたクラッパー長官は、次の様に言った。

「私には何の問題もない。」

一連のサイバー攻撃については、民主党のクリントン陣営のメールが外部に漏れ、それがウィキリークスを通じて公にされたことなどが指摘されている。このメール流失がどれだけ選挙結果に影響を与えたかは明確ではない。トランプ氏は、ロシア政府の関与に懐疑的な姿勢を示した上で、どのようなことが起きていようとも選挙結果に影響を与えていないと主張。

しかし、民主・共和の両党から、「選挙結果云々ではなく、外国政府が我が国の選挙に関与した疑いが浮上すれば調査するのは当然だ」との声が出ている。委員長を務める共和党の重鎮、ジョン・マケイン議員も、「他の国が我が国の選挙に影響を行使することは有ってはならない」とこの問題を更に追及していく必要性が有ると話している。

翌日6日のワシントン・ポスト紙は、情報当局の幹部の話として、トランプ氏が選挙に勝利した際に、ロシア政権の幹部が勝利を祝ったと報じている。記事によると、勝利を祝った幹部の中に今回のサイバー攻撃に関わった人物も含まれているとのことだ。

選挙時から米ロ関係の改善をうたってきたトランプだが、こうなるとその発言も素直に頷けなくなってくるかもしれない。トランプ氏は過去にロシアでビジネス展開を模索したことがあり、自身が運営権を持つミス・ユニバースをモスクワで開くなどしている。ワシントン・ポスト紙がまとめた本によると、この際に、プーチン大統領から感謝のメッセージが寄せられたという。

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