MBSラジオ「立岩陽一郎のファクトチェックラジオ」がスタートから4年目を迎える。ファクトチェックを専門に扱う番組はテレビは勿論だが、ラジオでも珍しい。その番組の企画・制作の責任者を当初から務めるのはInFactの運営にも関わっている毎日放送の亘佐和子さん。亘さんに番組の狙いなどをきいた。(立岩陽一郎)
『立岩陽一郎のファクトチェックラジオ』は2021年8月1日に始まった。不定期且つ深夜帯の放送だが、このMBSラジオのオンラインから番組を聴取できる。2024年最後の放送は12月29日に放送された第12回。番組に『しんぶん赤旗日曜版』の編集長が登場。政治とカネのファクトを語っている。
そして4年目となる2025年は、3月に次回の放送を行う方向で検討が進められているという。番組立ち上げ時から責任者を務める亘さんに話をきいた。
Q 番組を立ち上げた狙いは?
A コロナ禍で多くの人が不安を抱き、さまざまなフェイクニュースがあっという間に広がるのを、危機感をもって眺めていました。立岩さんがファクトチェックをライフワークにしておられるのは知っていて、テレビやラジオでももっと伝えるべきだとは思っていましたが、残念ながら「ファクト」は面白くありません。心地よくないどころか、苦々しいこともあります。
番組はジャーナリスティックな内容であってもある種のエンターテインメント性が求められるので、ファクトチェックをおもしろく伝えるにはどうすればいいかを、担当のディレクターが一生懸命考えてくれました。そこで行きついたのが、くすっと笑える「本当のようなウソ」ばかり発信している「虚構新聞」とのコラボです。
ファクトというちょっと(かなり?)苦い薬を、おいしいまんじゅうの中に入れて食べる感じ。
少し意外な気がしますが、ファクトと虚構は表裏一体。悪質なデマやフェイクニュースがあふれる社会では、虚構ニュースを笑うことができません。「虚構新聞社主」がいちばんファクトを求めているんです。正反対のようで実は同じ方向を向いている2人が組めば、知的な刺激のある楽しい番組にできると思いました。
Q 番組はどのくらいリスナーに浸透しているか?
A はっきり言って、全く浸透していません(笑)。不定期の放送ですし、ずっと深夜26時スタートという「誰が聞くねん!」という時間帯に追いやられてきたので、仕方ない部分もあります。Youtubeやポッドキャスト展開に力を入れていますが、これだけ多くのコンテンツがあふれている中で、選ばれる番組になるのは至難の技です。
過度に受けを狙うとファクトチェックの根幹が揺らぐので、「必要だと思ったときに、見まわしたらそこにいた」とか、「こんな番組があってホッとする」とかいう感じのコンテンツになればいいなと思います。
Q 番組の目指すところは何か?
A 「ファクトチェック」を日本社会に定着させることです。そのステップとして、「流行語大賞」を狙うのもいいなあと思います(笑)。
Q 4年目突入の最初の放送は?
A はい。3月2日は日曜日の午後8時から午後9時です。
(編集著追記)
次回放送についてご指摘を踏まえて修正させて頂きました。失礼しました。亘さんのインタビュー、如何でしたでしょうか?。なんと、ゴールデンでの放送ということで、お聴きいただければ幸いです。