
”警察官の採用において、国籍条項を撤廃して外国人でも警察官になれる都道府県が存在する”という趣旨の言説が拡散されている。このためファクトチェックをしたところ、そうした事実は確認できなかった。
対象言説
対象としたXの投稿(2026年6月12日)は、東京と、大阪府、神奈川県、愛知県、京都府で、警察官の採用条件を緩和して外国人でも採用できるようにしたとの内容だ。以下がその実際の投稿だ。

結論
2026年(令和8年度)採用試験において、挙げられた5つの都府県警察本部(東京は警視庁)に日本人国籍であることが条件として付されており、日本人国籍であることの条件が撤廃・緩和されたという情報は確認できない。
ファクトチェックの詳細
投稿に記載されている都道府県警の最新の採用要項を検索して、国籍条項の有無を確認する。
①東京都
警察官(Ⅰ・Ⅲ類) | 採用情報 | 令和8年度警視庁採用サイトに、日本の国籍を有しない人は受験できないと記載がある。また、国籍条項について2020年代に方針を変えたという情報は確認できない。Ⅰ類とは大学卒業程度を指し、Ⅲ類とは高校卒業程度のことを指す。採用情報 | 令和8年度警視庁採用サイトに社会人・特別捜査官という枠もあるが、同様に日本の国籍が必要だという内容が記載されている。
②大阪府
令和8年度採用概要/大阪府警本部に、日本国籍を有しない人は受験できないという記載がある。また、「採用条件の緩和」は確認できない。
③神奈川県
令和8年度警察官採用試験/神奈川県警察に、日本国籍を有しない人はこの試験を受けることができないという記載がある。また、「採用条件の撤廃または緩和」は確認できない。
④愛知県
2026(令和8)年度受験案内警察官(A) 第1回採用候補者試験についての資料(R8-A-SPI-jukenannnai.pdf)に日本の国籍を有しない人は該当する人は受験できないという記載がある。(試験情報|採用情報|愛知県警察採用情報)より確認できる全ての採用方式で同様の記載がある。
⑤京都府
令和8年度第1回京都府警察官採用試験案内(r8-shiken.pdf)に、日本国籍を有しない人はこの試験を受けることができないという記載がある(京都府警察/令和8年度第1回警察官採用試験より)。ただし、投稿にある「採用条件に柔軟性を持たせる動きがある」については確認できなかった。
以上のファクトチェックの結果、投稿にある4つの都府県における内容は少なくとも現時点においては誤りであり、京都府についてはそうした「動き」について確認できる資料が存在しない。
(笹瀬明子)
編集長追記
発信者の方にファクトチェックの内容を伝えましたが、2026年8月11日現在で返信は有りません。今後、返信があれば原稿に反映させたいと思います。InFactのファクトチェックは発信者を非難したり批判したりするものではなく、あくまで確認した事実を公表するというものである点は付け加えておきます。

