平和・安全保障「原発占領地」で不安は戦慄に変わった【新田義貴のウクライナ取材メモ⑥】戦場と化すザポリージャ原発。歴史の教訓から学び続けてきたはずの人類は、再び愚行を繰り返すかもしれない。その新田の不安は原発を前にして戦慄に変わった。(文/写真:新田義貴) 6月下旬、ウクライナ南部で洪水被害を取材していた僕にはもうひとつ気がかりなことがあった。ロシア軍侵攻直後の去年3月から占領下にあるザポリージャ原子力...
平和・安全保障【新田義貴のウクライナ取材メモ④】ダム破壊と洪水の傷あと新田は洪水で被災したヘルソンに入った。そこで鳴り響くロシア軍の砲声。新田が見たものは、復興作業もままならぬ戦場の不条理だった。(文/写真:新田義貴) 6月24日午後、ヘルソンのドニプロ川沿いにある住宅地を訪ねた。この地域は上流のカホフカダム破壊による洪水被害をまともに受けた。2週間以上が過ぎ水はほとんど引いているが、今...
平和・安全保障【新田義貴のウクライナ取材メモ2023①】キーウ再び2022年にロシア軍が侵攻したウクライナに入って取材をした新田義貴が再びウクライナに入った。前回、戦場で翻弄される人々に焦点をあてた新田の報告。今回もその視点は同じだ。しかし、今回は取材報告ではなく、取材メモだ。ざらついた戦争の現実を、現地の人々の姿を伝える。(取材/写真:新田義貴) 去年3月初旬から40日間ウクライナ...
平和・安全保障【新田義貴のウクライナ取材メモ②】日常を取り戻した首都キーウだが再び訪れたキーウは新田義貴には前回訪れた戦場とは異なる平穏な場所に見えた。しかし人々に話しかけると、そこはまだ戦場だった。(文/写真:新田義貴) ヘルソンへ向かう夜行列車は21時33分発。2等寝台の切符は800フリブニャ、日本円でおよそ3000円だった。夜まで時間がたっぷりあるので、1年ぶりのキーウの町を取材することに...
平和・安全保障砲弾の破片が身体に突き刺さる【司法が認めた沖縄戦の実態㉗】6月23日は沖縄で日本軍の組織的戦闘が終わった「慰霊の日」。「沖縄戦の終戦の日」とも言えるかもしれない。しかし戦争を生き延びた沖縄県民にとって戦争はけして終わってはいない。(文箭祥人) 「私の家族は兵隊のための炊き出しをしていました」 沖縄南部、南風原村神里(はえばるむらかみざと)。両親と姉と暮らしていた山田秋子さんは...