平和・安全保障【新田義貴のウクライナ取材メモ⑨ 最前線の“ロシア系”住民】ウクライナでの戦争は続く。新田義貴は現地で救援活動をする日本人のジャーナリストと遭遇。その活動に同行して更に戦争の現実に迫っていく。(写真・文/新田義貴) 7月2日午後2時、オデッサでの取材を終えいよいよ最終目的地のウクライナ東部に向かう。写真家の尾崎孝史さんが運転するスズキの4WDで広大な平原を走ること8時間、夜10...
InFact【司法が認めた沖縄戦の実体㉒】目の前に赤く日焼けしたアメリカ兵が立っていた復帰50年を迎えた沖縄。戦後、なぜ沖縄は施政権の回復が遅れたのか?その疑問はなぜ、沖縄で地上戦が行われたのかという疑問にも直結する。InFactは引き続き愚直に沖縄戦の事実を書き留めていく。(取材、写真/文箭祥人) 沖縄戦当時、原告の大西正子さんは13歳。通っていた真和志村(現在の那覇市)の大道(だいどう)国民学校では...
ジャーナリズムなぜ危険地帯を取材するのか? ジャーナリスト5人が語る危険地帯取材の意義と課題(上)「イスラム国(IS)」が後藤健二氏と湯川遥菜氏を殺害した事件をきっかけに、取材であっても退避勧告地域へは行くべきでないという世論が高まっている。危険地帯の取材の意義とあり方について考えるシンポジウム「戦争と報道-なぜ危険地域を取材するのか」が4月12日、約130人が参加して大阪で開かれた。ベトナム戦争から今年のシリア・...
ジャーナリズムなぜ危険地帯を取材するのか? ジャーナリスト5人が語る危険地帯取材の意義と課題(下)●危険地帯取材はどこまで可能か。基準は何か。 イスラム国による日本人人質事件の渦中の今年1月と2月、外務省が退避勧告地域としたシリアに朝日新聞記者が入国して取材した。石丸氏は、これを記事にした読売新聞と産経新聞に対して、「外務省が行かない方がいいという所に他メディアが入ったことを、わざわざ記事にするというのは、いったい...
アメリカ合衆国シリア空爆を命じた米トランプ政権の危うい情報分析~トランプの米国とどう向き合うか? (71)シリア空爆を命じたトランプ大統領はどのような情報を得て判断しているのか。実は、トランプ大統領に毎日行われる情報機関などからの情勢説明と分析の説明は歴代大統領に比べて圧倒的に少なく、複数の見方を排除する形で行われているという。米国の調査報道NPOが報じている。 米大統領が軍事行動などを判断する際の重要な基準となる情報機関...
アメリカ合衆国米トランプ政権がアフガン内戦に再介入か 対北朝鮮圧力は弱まる可能性も ~トランプの米国とどう向き合うか? (87)国外での紛争介入に消極的な姿勢を示していた米トランプ政権だが、アフガニスタンへの軍の増派に向けて検討に入った。今月中にトランプ大統領が決断するものと見られるが、増派を決めると米国の対アフガニスタン政策は大きな方針転換となる。 (参考記事: トランプ大統領が会見で狙ったものは) ワシントンポスト紙が9日伝えたところによる...
平和・安全保障模擬原爆:原爆を落とす訓練のためだけに一般人に落とされた爆弾①70年前の8月に広島と長崎に落とされた原爆によって、20万人以上の人が死亡したことはよく知られているが、米軍が原爆を投下するために日本本土で何度も爆撃訓練を行っていたことはあまり知られていない。アイ・アジアでは、原爆という非人道的な兵器を使うために行われた米軍の訓練に注目し、研究者の協力を得て、その全容をシリーズで詳述...
平和・安全保障なぜ子供の戦争被害は深刻化したか?(1) 日常に紛争迫り被害深刻化 市川ひろみ冷戦後に発生した戦争で子供の被害が深刻化している。死傷の増加のみならず、家族が処刑されるなどして心に深い傷を負う、レイプなど性的暴力と兵士の性搾取の対象となる、さらには子ども兵として紛争の当事者となって殺し合いに駆り出されるケースも増えている。「戦争・紛争と市民」をテーマに研究を続ける京都女子大学の市川ひろみ教授に、冷...
平和・安全保障日米地位協定「改訂」の実態 英伊は基地管理権も渡さず6月23日の沖縄「慰霊の日」に、安倍総理は日米地位協定を改訂すると言明した。たがその内容は、協定の対象から軍属を外すだけで終わりそうな雲行きだ。米軍基地問題を追及してきた沖縄のジャーナリストからは、その対応を疑問視する声が出ている。(iAsia編集部) 安倍総理は、沖縄戦終結から71年となる日の式典会場で、「沖縄の基地...
平和・安全保障「模擬原爆:原爆投下の訓練のためだけに一般人に落とされた爆弾」②70年前の7月、大阪に落とされた1発の爆弾。それは、後に広島と長崎を襲う原爆投下のための訓練だった。研究者が「模擬原爆」と呼び始めたアメリカ軍の兵器について伝えるシリーズの第二弾。(アイ・アジア、鈴木祐太) この爆弾について大阪市と大阪府が共同事業として行っている資料館の「ピース大阪」に記録が残されていた。米軍が戦後、...