しかし、米兵、米軍関係者による事件事故が相次ぐなどして、米軍への反発が根強い沖縄では訓練の実施は控えてきた。これまでも防衛省は、沖縄における米海兵隊と陸上自衛隊との訓練について、実施の予定はないと説明してきた。しかし米軍の公開した映像によって、その説明が事実と異なることが明らかになった形だ。
これについて、沖縄で米軍を取材し続けているジャーナリストで沖縄国際大学講師の屋良朝博さんは、「自衛隊と米海兵隊の合同訓練は1996年の日米防衛ガイドラインの改定から始まったが、当時から、訓練を沖縄ではやらせないというのが当時の自民党の良識だった。だから訓練は主にアメリカで行われていた。それが、沖縄でも合同訓練が行われ始めたということは、そうした抑制の効いた政治がなくなり、軍事優先の現状になっていることを意味しており、憂慮すべきことだ」と話している。