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米のシリア空爆の裏に側近らの大統領へのある対応があった ~トランプの米国とどう向き合うか? (70)

そこで、政権発足後、トランプ大統領の側近らはある対応を決めたのだという。ワシントンポスト紙によると、それは、「大統領に説明する際は、文章は極めて短く簡潔に、そしてなるべくグラフィックと写真を使う」というものだったという。そして、今回もその手法がとられたのだという。

側近がシリア空爆にトランプ大統領を誘導したということではないが、結果的に、側近らが用意した写真がトランプ大統領の心を動かす結果となったことは間違いない。

トランプ大統領はこれまでシリアのアサド政権に厳しく対処するオバマ政権に対して否定的な発言を繰り返してきた。ニューヨークタイムズ紙によると、オバマ大統領との会談でもアサド政権を敵対視することに意味はないと発言していたという。

ホワイトハウスの関係者はワシントンポスト紙の取材に対し、トランプ大統領の判断が感情的なものに端を発したことは認めつつ、その後の判断は補佐官らとの議論を経て決まったので問題ないと話している。

公共放送NPRの記者は、「正直言って、今回の対応は全てのタイミングが良すぎてよくわからないところがあるが、批判はあまり多く聞かれない。しかし、大統領の判断が感情によって決まるという事態は当然あってはならない。仮に、北朝鮮で苦しんでいる子供の写真を見てことを決めるということになったらどうするのか?これは深刻に考えないといけない」と話している。

(参考記事:ケネディ前駐日大使、トランプ大統領の外交政策に憂慮示す~トランプの米国とどう向き合うか? (22))


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