インターネット上で話題になった“要注意”情報を、週1回まとめてお届けします。紹介するのは、他のメディアなど第三者が調査・検証したものも含みます。（大船怜＝ネット上の情報検証まとめ管理人）

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(1)「GO TO キャンペーン 旅行しないで無限にお金増やせる」

【検証】金券付きは除外　観光庁が後に明記

政府の経済支援策「Go To キャンペーン」の第一弾である「Go To トラベルキャンペーン」は、旅行代金の最大半額相当を政府が支援するというもので、支援額の7割にあたる旅行代金割引が22日より開始されている。投稿では、旅行代金の半額以上を宿が金券として客に返還した場合、宿側と客側が共に何もせず利益を得られるという内容の図が添付されている。

投稿のあった15日時点では、こうした金券付き旅行プランの扱いについて国から明確な説明は無く、「無限にお金増やせる」可能性は否定できなかった。文春オンラインの同日付の記事でも、「クオカードなどの金券に近いものを付帯させるプランの出現も想定される。」と指摘されていた。

しかし、その後観光庁が20日に更新したQ&A集の中で、「換金性の高い金券類をプラン内容に含む旅行・宿泊商品は、支援の対象外」と明記された。他にポイントや航空マイル付きの宿泊プランも対象外とされている。

なお、投稿者が指摘したような高額のQUOカード付きの旅行プランは以前から存在し、画像にあるプランが「Go To トラベル」に合わせて新設されたものかどうかは不明である。

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(2)「安倍首相 コロナ対策もせずに平凡な毎日（動画）」

【検証】動画は去年5月のもの

動画は、安倍首相の公式Instagramアカウントから2019年5月2日に投稿されたもの。NHKの首相動静によれば休暇で河口湖近くの別荘に行っていたとされる。

上掲の投稿は動画を最近のものと明記しているわけではないが、「コロナ対策もせずに」といった記述は、新型コロナの感染が始まった後に撮影されたものであるかのような誤解を与える。

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(3)「ガーナ大統領が暴露したロックフェラー財団の計画書」

【検証】別人の音声

AFP通信や、ナイジェリアのPremium Times、ガーナのFact Check Ghanaが指摘しているように、この音声はアクフォ＝アド大統領の実際の声や話し方とは異なっており、別人の可能性が高い。AFP通信の取材に対しガーナの情報担当相も、大統領はそのような発信をしていないと否定している。

また、ロックフェラー財団は「2012年に新型インフルエンザのパンデミックが発生」というシミュレーションシナリオを2010年に発表しているが、その内容は政府による規制やテクノロジーの動向についての予測で、音声が主張するような生物兵器やワクチンの話題は登場しない。

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(4)「仏では700万円が低収入」

【検証】正しくは「低収入世帯の700万人」

投稿者はこの投稿を、ライターの髙崎順子氏による「フランス国内700万の低収入世帯に国からマスクが無料配布されるそうです。」という投稿をリツイートした直後に行っている。髙崎氏は配布対象の世帯数を指して「700万」と述べているのだが、「700万円が低収入」はこれを誤読したようである。

なお、厳密には「700万」は世帯数でもなく人数。低収入世帯の700万人に対して洗濯可能なマスク計4000万枚を配布すると、ヴェラン保健相が22日発表した。

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(5)「AppleのARグラス（動画）」

【検証】非公式の想像図

Apple社が開発中と噂されるARグラス、通称「Apple Glass」に関して、Appleからの公式の発表はまだ無い。動画はカザフスタンのデザイナーIskander Utebayev氏がInstagramに投稿した、CGによる想像図である。

「コンセプトデザイン」や「コンセプトアート」と呼ばれるこうした想像図は、企業が公式に完成予想イメージとして発表するものもあれば、今回のように無関係のデザイナーやファンが私的に制作するものもある。

今回投稿者は「コンセプト」と明記し、販売価格や時期についても「噂」として、公式でないことを認識していたと思われるが、Appleの公式な発表と誤解する反応が相次いだことから、投稿はその後削除されている。

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その他

FIJ（ファクトチェック・イニシアティブ）では新型コロナウイルスに関する情報の検証結果などをまとめた特設サイトを開設。国内外の真偽に疑義のある情報を紹介し、随時更新している。

また過去のまとめでも、新型コロナウイルス関連の様々な誤情報についても検証を紹介している。

 

（過去の回をまとめて見たい方はこちらから。次回は、2020年8月5日の予定です）