ネット上で安倍晋三元首相がウクライナへのロシア軍の侵攻を念頭に、「中国も台湾に同じようなことをやっている。私はいつでも総理大臣に戻る準備がある」と発言したとの情報が拡散。しかし安倍元首相はこうした発言をしておらず、この情報は虚偽だ。(三井滉大)
チェック対象
安倍晋三元首相「中国も台湾に同じようなことをやっている。私はいつでも総理大臣に戻る準備がある」
(Twitter、2022年2月25日投稿)
結論
【虚偽】安倍晋三元首相は「中国も台湾に同じようなことをやっている。私はいつでも総理大臣に戻る準備がある」と発言しておらず、意図的に誤った情報を拡散させたもの
これは「ツイッター速報〜BreakingNews」が2月25日にTwitter上に添付したものだ。そこには、見出しとして、今回のチェック対象が掲載され、本文には日本経済新聞の2月25日付「安倍氏、ウクライナ侵攻「中国の台湾対応占う」」という記事を一部引用していた。
そこで、日本経済新聞の当該記事を確認した。記事によると安倍元首相は次のように語っている。
「台湾に対して中国がどのような対応をとるかを占う/たいへん日本にとって深刻な出来事だ/経済制裁をかける以上はしっかりと実質的なものにしていかなければいけない」
ツイートにあるような「中国も台湾に同じようなことをしている。私はいつでも総理大臣に戻る準備がある」という発言をしていない。
これについて安倍晋三議員事務所に確認したところ、「当方でも確認しましたが、そうした発言はしていません」との回答だった。
つまり、この発信は事実ではない。これについて発信元に事実関係を確認する問い合わせを行っているが3月14日現在、回答は無い。よって、これは誤った情報を意図的に流しているとしか考えられずファクトチェックの判定は虚偽となる。
4エンマ大王
InFactはレーティングをエンマ大王で示している。問題のツイートは「虚偽」であり、これは4エンマ大王となる。
エンマ大王のレーティングは以下の通り。
- 4エンマ大王 「虚偽」
- 3エンマ大王 「誤り」
- 2エンマ大王 「ミスリード」「不正確」「根拠不明」
- 1エンマ大王 「ほぼ正確」
InFactはファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)のメディアパートナーに加盟しています。この記事は、InFactのファクトチェック基本方針、およびFIJのレーティング基準に基づいて作成しました。