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[新型肺炎FactCheck] 日本が物資支援するも「中国が何かしてくれたことはない」は誤り

[新型肺炎FactCheck]  日本が物資支援するも「中国が何かしてくれたことはない」は誤り

新型コロナウイルス感染症が拡大している中国・武漢市に日本が支援物資を送ったことについて、「中国が何かしてくれた記憶はない」などと書かれたツイッターの投稿が拡散した。だが、中国も日本に支援を行ったことが何度もある。日本が一方的に中国を支援しているというのは明らかに事実誤認だ。(田島輔)

チェック対象
困った時はお互い様だと、日本国及び姉妹都市大分市から武漢市に大量のマスクを送ることが決まった。だが、言いたくはないが、中国が何かしてくれた記憶はない。…(2020年1月29日、クリス三宅のTwitter投稿
結論
【誤り】中国は過去、東日本大震災などの大規模災害で人的支援のほか、義援金や支援物資を贈ったことがある。

検証

大分市が1月27日、友好都市の湖北省武漢市に「武漢加油(頑張れ)」のメッセージを添えてマスク3万枚を送り、日本政府のチャーター機が物資を届けたことが話題となった。このツイッター投稿は1700件以上リツイート、6600件以上の「いいね」がついている。

「記憶にはない」という表現を形式的に捉えれば、単なる認識の問題にすぎないように思えるものの、この投稿だけ見れば、中国が日本を支援した実績がないとの誤解を与える恐れがある。しかも、投稿者のフォロワーは約4.5万人と影響力も小さくないことから、ファクトチェックの対象とした。

調査した結果、中国が日本に対し、災害時に物資供給等の支援を行ったことはこれまでに何度もあった。その代表的な例をまとめると次のとおりである(中国当局や本土からの支援事例を対象とし、香港・台湾からの支援事例は除いた)。

東日本大震災(2011年)における人的・物的支援

2011年3月11日の東日本大震災発生後、中国は緊急救助隊を派遣し、3月14日から岩手県大船渡市で被災地支援活動を行っていた(外務省サイト参照。震災後3日間の間に被災地に入ったのは、韓国、米国、シンガポール、中国、スイス、ドイツの6カ国のみ)。

東日本大震災における中国からの物資支援は次のとおり。

熊本地震(2016年)における支援

2016年4月の熊本地震では中国の民間人が多数、義援金を送金したと報じられた(ダイヤモンド・オンライン「熊本地震に中国人の反応がかつてなく同情的な理由」)。4月23日には、程永華・中国駐日大使は熊本県知事と会談した際、義援金や支援物資を手渡している(中国・駐日大使館のサイト)。6月の上海で行われた復興支援イベントでは、多額の寄付をした上海の企業、団体に感謝状が贈られている(産経新聞)。

西日本豪雨(2018年)における支援

西日本豪雨(2018年6月28日~7月8日)の際には、中国は総額約2480万円の義援金を贈っていた(中国・駐日大使館のサイト)。

結論

中国は、日本で大きな災害があった際に度々、義援金や支援物資を贈っており、政府だけでなく、民間からも多額の寄付がなされたことがある。中国が日本にした支援したことがないかのような言説は「誤り」と判定した。

(冒頭写真:外務省サイトのフォトギャラリーより)

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